運動機能性外来について
2017年12月30日 11:31更新
専門外来コラム
運動機能性外来についての紹介をさせて頂きます。
当院では月1回、第4火曜日か第5火曜日の18:00~20:00の間、一人30分間の完全予約制で特殊外来を行っております。
運動機能性についての説明をします。
人体は頭部、頚椎、胸椎、腰椎、骨盤、四肢の骨格があります。
それに筋肉や筋膜、靭帯などが付着します。これらは、関節を中心として体の動きを出します。そして、皮膚があります。簡単に説明するために、内臓や血管、リンパなどの話しは今回は省いておきます。
骨格が正常の位置に無いことで、姿勢のずれが生じます。理想の骨格は左右前後のバランスが均等であることが理想です。実際には理想の骨格のバランスを得たままで生活することは困難です。利き腕や、利き足、咬み合せの左右差、PC作業の右マウス使用、スマホの持ち方など様々な事で左右差が出ます。左右差が出るのは当然なのですが、バランスがずれすぎたりすると、筋肉疲労や筋膜のこり、骨のゆがみや変形を引き起こします。
当院を開院してから、首こり肩こり外来、頭痛外来で治療を行いました。自律神経失調症で悩んでいる方が多く、自律神経失調症外来を始めました。自律神経が乱れている方は、気象の変動による体調不良を訴えることが多かったことから、気象病・天気病外来を始めました。気象病の治療で改善している方で、エアコンの影響によりまた体調不良になることが多かったことから、冷房病・エアコン病外来を始めました。
これらの専門外来の中で共通していることは、姿勢、骨格の歪み、筋肉のこり、左右差などが関係しています。
その例としては、片頭痛が右に起きている方は、右側に首が傾いている事や上部頚椎の異常が右で見つかる事、三叉領域の痛みが右に多い事などです。
右膝が痛い方も、姿勢が右に傾いていたり、骨盤の動きが右で悪かったり、足裏に差があったりなどです。
運動機能性を改善することが根本的な治療となることを実感しています。
しかし、当院の保険診療内での治療では、頚椎のずれや、骨盤のずれなどを治すことはなかなか難しい所がありました。鍼灸、整体、ヨガ、マッサージなど様々な治療家の方々と治療を行ってきました。
私は脊椎や骨格の歪みが自律神経の乱れも引き起こし、一件関係なさそうな様々な症状を引き起こすという考えに至っています。その考え方と最も合致するものがカイロプラクティックでした。
骨をボキボキする怖い感じの治療というイメージをお持ちの方が多いでしょう。
骨格の歪みが強い方を、カイロプラクティック治療の専門家に紹介をしていると、良好な結果を得ることが増えました。当院での治療が必要なくなる方も多くなりました。
片頭痛で悩んでいる方が長期間来なくて、久しぶりに来院されると、頭痛回数が減ったから来なかったんですよ言われました。
カイロプラクティックでの治療結果が出ていた方のレントゲンを取ると、当初にあった姿勢の左右差やストレートネックの改善を認めていました。
その事から、診療時間内ではカイロプラクティックでの治療は出来ないため、月1回運動機能性外来を始めました。治療後に症状の改善(首の痛みが軽減、肩が上がるようになった、腰痛が軽減したなど)を認めると、レントゲン所見も良い方に変化していることが多く見られます。
来年もこの運動機能性外来で得た治療ノウハウを、保険診療内でも反映できるようにしたいと思っております。
下にはカイロプラクティックがどういうものかを簡単にまとめています。
一般社団法人 日本カイロプラクターズ協会 から許可を受けて添付しています。
カイロプラクティック(Chiropractic) 【業界の定義】
筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントもしくは脊椎マニピュレーション(アジャストメント)を含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーション(神経系の働きを妨げ生理学的変化を起こす因子)に注目する。
(世界保健機関, 2005年)
カイロプラクティック(Chiropractic) 【一般の定義】
カイロプラクティックは身体の構造(特に脊椎)と機能に注目した専門医療です。カイロプラクティックの施術法は、施術者によって様々ですが、主に脊椎やその他の身体部位を調整(矯正)することにより、ゆがみの矯正、痛みの軽減、機能改善、身体の自然治癒力を高めることを目的としています。
(厚生労働省, 2014年)
分かりやすく言えば、骨格のゆがみ、特に背骨の機能異常を手技によって調整することで神経の働きを回復するヘルスケア(保健医療)です。すなわち人間の体を主にコントロールするのは脳につながる神経系であり、その働きがよくなれば自然に人は症状の改善とともに健康になるという訳です。
カイロプラクティックのアイデンティティー
○ ヘルスケア・システムの中における脊椎ヘルスケア(保健医療)の専門家。 ○ 神経筋骨格系の機能、健康全般そして生活の質を向上させる能力を有する。 ○ 最新の研究および臨床経験に基づき、特に脊椎と神経系の関係を重視しながら検査、診断、治療に専門的なアプローチを行う。 ○ 手技療法、体操療法、患者教育などを含みながら、特に脊椎アジャストメントを行う教育を受けた専門家。
(世界カイロプラクティック連合, 2005年)
カイロプラクティックの治療法
カイロプラクティックでは、まず病歴を取り、姿勢分析など各種検査を行います。そして身体の歪みを総合的に判断して治療の順序を組み立て、病状や個人差に応じた手技のテクニックを用います。 カイロプラクティックは薬物で病状を押さえるのとは違い、神経の働きを良くし自分の体内にある薬を活用する自然療法です。その為、背骨など骨格の調整だけでなく、姿勢体操、栄養、睡眠などの生活指導も行います。またカイロプラクティックは予防医学として健康管理にも利用されております。
適応症
腰痛、頭痛、むち打ち、肩こり、股関節や膝の痛みなど運動器疾患系にすぐれた効果を発揮します。その他、疲労回復、姿勢改善、自律神経失調、など、また自律神経を介して内臓の機能改善、ストレスの緩和などにも有効であり、高齢者へのケアや生活習慣病、慢性病などの効果も注目されています。風邪予防や健康増進のため、健康管理としても利用されています。
禁忌
刺激を避けなければならない病気(癌、出血しやすい病気、高熱の出る病気、伝染病など)
気象病の記事が掲載されました。
2017年12月21日 19:02更新
専門外来コラム
薬物乱用頭痛(MOH:Medication Overuse Headache)について
2017年12月14日 21:53更新
専門外来コラム
頭痛外来を受診される方の中には、
月に半分以上、頭痛のために鎮痛薬飲んでしまっている方が多く見られ、その中には薬物乱用頭痛となっている方が多いです。
月に10日以上鎮痛薬を飲んでいる、出そうだから早めに飲む、は要注意です。
頭痛が起こる。→鎮痛薬を飲むとおさまる→また頭痛が起こる→鎮痛薬を飲むとおさまる
どんどん効果時間が短くなりさらに飲む回数が増えるという悪循環に陥ります。
このようなサイクルになってしまい、根本原因の軽減が出来ていないため、鎮痛薬を飲み続けることになってしまいます。そのうち同じ薬では効かなくなり、その他の薬、多剤併用になってしまうことも多く見られます。
さらには、頭痛が起きそうな感じがすると鎮痛薬を飲んでしまう方が多いです(この出そうだから鎮痛薬を飲むという行為は乱用を引き起こす可能性が高いです)。
1回MOHになってしまうと、なかなか抜け出せなくなります。
緊張型頭痛、片頭痛、緊張型頭痛+片頭痛の混合型が改善しないため、鎮痛薬の服用が多くなってしまいます。
MOHは、緊張型頭痛、片頭痛の次に多いと言われております。実際に当院でもその割合となっています。男女比は女性に起こりやすいです。中学生以降では見られます。ストレスの多い方や、PCやスマホの使用時間の多い方にも多いです。
原因となる薬剤は、①市販の鎮痛薬(カフェインを含んだり、数種類の鎮痛成分が入っているのはよりなりやすいです)、 ②NSAIDs等の鎮痛薬、③トリプタン製剤、 ④エルゴタミン製剤(使用頻度が減っているため、単独で原因となっていることは少なくなっています)などがあります。
上記①~④を併用している方も多く見られます。
トリプタン製剤の処方されている方は、他の製剤より早い期間でなってしまうことが多いとされています。
当院では、多剤を併用されている方により多くのMOHが見られています。
緊張型頭痛+片頭痛の混合型の方は、よりMOHの程度が強くなっています。
以下に示したのが、診断基準です。国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)からの引用です。
薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)(MOH:Medication Overuse Headache)の診断基準
A:以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は 1ヵ月に15日以上存在する
B:1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を 3ヵ月を超えて定期的に乱用している
C:ほかに最適な ICHD-3 の診断がない
エルゴタミン乱用頭痛
3ヵ月を超えて、1ヵ月に10日以上、定期的にエルゴタミンを摂取している
トリプタン乱用頭痛
3ヵ月を超えて、1ヵ月に10日以上、定期的に 1つ以上のトリプタンを摂取している(剤形は問わない)
単純鎮痛薬乱用頭痛
3ヵ月を超えて、1ヵ月に15日以上、単一の鎮痛薬を摂取している
オピオイド乱用頭痛
3ヵ月を超えて、1ヵ月に10日以上、定期的に 1つ以上のオピオイドを摂取している
複合鎮痛薬乱用頭痛
3ヵ月を超えて、1ヵ月に10日以上、定期的に 1つ以上の複合鎮痛薬を摂取している
治療の流れは以下となります。
- 原因薬物を中止する:多剤使用している場合は、より飲んでいる回数が多い薬から中止していきます。
- 薬物中止後に起こる頭痛(反跳頭痛)に対する治療:ここを乗り切れないと減っていきません。2週間くらいの期間続くことをしっかりと説明しておくことが重要です。鎮痛薬をゼロにしなくても良いから、ギリギリまで飲まないようにしましょうと伝えています。ゼロと言われると、必要以上のプレッシャーとなってしまいます。
- 予防薬の投与:緊張型頭痛には、筋弛緩薬や漢方薬など。片頭痛には、抗てんかん薬、βブロッカー、漢方薬など。
- 頭痛ダイアリーの使用:頭痛が出た日数や時間帯、薬物使用日数を付けることによって、患者さん自身が自分の状態を把握できるようになります。出来れば、天気も書いてもらいます。
- 飲んで良い鎮痛薬の種類や回数:それとしっかりと伝えること、そして鎮痛薬を10回/月以内に抑えること
- ストレッチやマッサージ、ストレッチなどの運動療法:自分に合う方法なら何でも構わないです。日々の心身の疲れやストレスをリセットするためには、とても重要です。
- 気象病がベースにある場合は、そちらの治療も並行して行います。
気象病の治療を行うようになってからは、MOHからの離脱成功率が上がってきております。
貧血について
2017年12月2日 16:33更新
専門外来コラム
貧血とは、体内に鉄が欠乏している状態です。
一般的には、血液中のHb(ヘモグロビン)濃度が低下している事を指しています。
貧血では、肩こり、頭痛、めまい、倦怠感、動悸、息切れ、冷え、寒暖差疲労など様々な症状が出現します。
当院の専門外来である頭痛・肩こり外来、自律神経失調症外来、気象病外来を受診される方にも、貧血や隠れ貧血はよく見られます。
細胞には酸素が必要です。呼吸によって肺に取り込まれた酸素は、赤血球内のヘモグロビンと結合して、四肢末端まで運ばれます。
そのため、体内に鉄分が不足すると様々な悪影響を及ぼします。
成人の鉄総量は3-5gです。その割合に関しては、下記で述べます。
1日に1mgが体外へ出ていきます。女性では生理出血で20-30mgを失うとされています。
貧血の原因は、様々ですが、最も多いのが鉄欠乏性貧血です。
女性に多い理由は、生理周期で出血を伴うことが一番の理由です。
その他の理由としては、腎臓の機能障害に伴う腎性貧血、慢性炎症(関節リウマチなど)に伴う貧血などが挙げられます。
ここでは鉄欠乏性貧血について話していきます。
健康診断などの採血では、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球血色素量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン量)、Fe(血清鉄)などです。
フェリチン、Fe(血清鉄)、TIBC、UIBCという数値は、健康診断ではあまり測定されません。
人間ドックでは測定されることもあります。
下記が鉄に関する基準値や参考値となります。
検査項目 |
基準値 |
赤血球数 |
女性 380万~480万 個/μl 男性 410万~550万 個/μl |
ヘモグロビン |
女性 12-16 g/dl 男性 14-18 g/dl |
Ht |
女性 36-45 % 男性 40-50 % |
MCV |
81-100 fl |
MCH |
27-32 pg |
MCHC |
31-36 % |
Fe |
女性 50-170 μg/dl 男性 60-210 μg/dl |
TIBC |
女性 260-420 μg/dl 男性 250-385 μg/dl |
UIBC |
女性 130-380 ng/ml 男性 110-330 ng/ml |
フェリチン |
女性 5-157 ng/ml 男性 20-280 ng/ml |
用語の説明:簡単な説明なので足りない部分はあると思います。
ヘモグロビン:赤血球の中にあり、ヘムとグロビンという物質が結合しています。ヘムは酸素と結びつく性質があります。
ヘマトクリット:血液中に占めている血球体積のわりありです。
MCV(平均赤血球容積):これは赤血球の大きさです。
MCH(平均赤血球ヘモグロビン値):赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビン量の平均値。
MCHC(平均赤血球色素濃度):一定容積の赤血球に含まれるヘモグロビン量の平均値。
TIBC(総鉄結合能):血液中のトランスフェリンが鉄と結合できる総鉄量を示しています。
UIBC(不飽和鉄結合能):血液中の鉄と結合していないトランスフェリンを示しています。
トランスフェリン:トランスフェリンは肝臓で生成されるタンパク質です。血液中の鉄と結合する働きがあります。
フェリチン:内部に鉄分を貯蔵できるタンパク質です。鉄を細胞内に貯蔵して、トランスフェリンと鉄の交換を行なって、血液中の鉄を維持しています。
鉄の役割分類:
体内の鉄には、機能性鉄、貯蔵鉄、運搬鉄の3つの分類となります。
①機能性鉄は、ヘモグロビン(他にもありますがここでは省略します)が大半を占めております。体内の鉄量でも60~70%です。そのほかに、ミオグロビンやチトクロームがあります。
②運搬鉄には、トランスフェリンがあります。体内の鉄量の0.2~0.3%位です。
③貯蔵鉄は、フェリチンがあります。これは、体内の鉄量の25%前後です。肝臓や脾臓、骨髄や腸管に貯蔵されています。
割合から考えると、ヘモグロビンとフェリチンが重要になります。
体内の鉄分は、2/3がヘモグロビンの中に存在しています。残り1/3の中でも重要なのが、フェリチンとなります。
ヘモグロビン量が正常範囲内だと貧血ではないと思いがちですがそうではありません。
体内のストック分のフェリチンが少なくなると、隠れ貧血となってしまいます。
隠れ貧血でも、貧血の症状は出るのです。
先ほどから色んな数値が出てきていますが、当院で目安としているのは、Hb、Fe、フェリチンを目安にして以下の判断をしています。
当院では、
正常
軽めの隠れ貧血
重めの隠れ貧血
鉄欠乏性貧血
の4つで判断しています。
女性の場合で表にしてみます。おおよそ目安になります。
Hb g/dl |
Fe μg/dl |
フェリチン ng/ml |
|
正常 |
14以上 |
110以上 |
100以上 |
軽めの隠れ貧血 |
13~14未満 |
50-100 |
50~80 |
重めの隠れ貧血 |
12~13未満 |
50-100 |
20~50未満 |
鉄欠乏性貧血 |
11以下 |
50以下 |
20以下 |
正常、貧血、隠れ貧血で判断をして、臨床的な症状と合致するかが重要となってきます。
貧血、隠れ貧血で症状が出ている方は、Hbが13g/dl以上、フェリチンが50 ng/mlを超えるまでは、貧血の治療を勧めています。
上記の表にあるように、全て正常なのが理想ではありますが、そうでなくても症状の改善は見られます。
貧血や隠れ貧血には注意をされて下さい。
※鉄剤等の投薬には診察により保険適用外となる場合もあります。
寒暖差アレルギーについて
2017年11月13日 07:53更新
専門外来コラム
今日の朝も寒いですね。
11/13月曜は、午前中はまだ晴れていますが、気圧は午前から少し下がってきそうです。雨も降りそうな予想になっています。明日まで、雨は降る可能性が高いようです。
さらに気をつけないと行けないのは、雨が降った後寒気が南下してくるようです。
気温がより下がってくる可能性があり、ご注意されて下さい。
寒暖差アレルギーについて簡単にまとめました。
1:寒暖差アレルギーとは
温度差が大きいときに引き起こされる症状です。アレルギーとなっていますが、実際にはアレルギー反応ではなく、自律神経の乱れに伴う反応です。正式病名としては血管運動性鼻炎になります。
2:症状
起きやすい症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、咳。その他、不眠、イライラ、倦怠感、食欲低下、皮膚の痒みや湿疹などです。
自律神経は、周りの環境に対して体を自動調整します。寒い場所では、血管が収縮します。暖かい場所では、血管が拡張します。
自律神経が、適切な対応が出来るのは大体7℃以内と言われています。
7℃以上の気温差で鼻粘膜の血管が拡張して鼻粘膜が浮腫して、アレルギー様の症状が出ます。春や秋などの寒暖差が強くなるときに出やすい。しかし、最近では夏(室内がクーラーで冷えている)や冬(室内で暖房が効いている)の室内外の温度差が強い場所でも起きやすくなります。
3:感染症、アレルギー性鼻炎との違い
・感染症は、咽頭痛や発熱、粘稠性の鼻水、咳嗽などを伴います。
・アレルギー性鼻炎は、スギやダニ、ハウスダスト等の原因物質が鼻粘膜に付着することで発症します。眼の痒み、充血、涙などの眼の症状を伴うことが多いです。
寒暖差アレルギーは、検査をしても特に以上は見つかりません。眼の症状も出ることは少ないです。こちらは眼の症状は
4:対策
- 洋服をうまく調整して、寒暖差を減らす。
- マスクを使用して、寒暖差を減らす。冷たい空気が鼻・喉に直接来ないようにするため。
- 簡単にできるストレッチやマッサージ、ツボ押しなどを行う。
- 生活リズムを乱さないようにする。
- 夜寝るときに、首が冷えるので、首回りの防寒対策を行う。
- 40℃前後のお湯で体を暖める。
- 精神的なストレスを貯めないようにする。
5:投薬治療について
・内服薬:抗アレルギー薬の内服。アレルギー性鼻炎の時に出る飲み薬です。種類は、色々ありますが、副作用としては、眠気やだるさが出現することが多いです。
・点鼻薬:これには、大きく分けて2種類あります。血管収縮作用のあるものと、ステロイドです。血管収縮作用のあるものは、即効性がありますが、用法用量を守り、長期間使用しないようにしましょう。使用過多による、鼻粘膜が肥厚し、鼻粘膜の血管が広がってしまう、点鼻薬性鼻炎となってしまうことがあります。その際には、耳鼻咽喉科さんへの受診が必要となります。
自律神経失調症の疑い、気象病の方は、寒暖差アレルギーの症状の方は多いです。これは、自律神経が乱れがちなだと、寒暖差の影響を受けやすくなってしまうからです。
気象病の記事が掲載されました
2017年11月2日 18:39更新
専門外来コラム
ウェザーニューズタッチ「月刊SORA」で、気象病の特集がされました。
分かりやすい記事となっていますので、ご参考にされて下さい。
URLは以下です。
https://weathernews.jp/soramagazine/201711/01/
暖房について
2017年11月1日 10:19更新
専門外来コラム
台風が過ぎ去って、秋らしい天気になってきました。
気温がぐっと下がって、朝晩の冷えが強くなっています。日中の寒暖差も強くなっています。
お店などに入ると、暖房が入り始めている所が多くなってきました。
暖房でも、エアコンを使用していることが多いです。
当院では、冷房病・エアコン病外来があります。エアコン病は、自律神経が乱れることと、冷えることが原因で起きます。
暖房は、温風で体を暖めます。人間の体の構造上、熱は四肢からは逃げやすく、体幹や頭部は熱が残りやすくなっています。
さらに過剰な熱は、熱の構造上、下に行くのでは無く、上に上がっていきます。そうすると、特に頭部に熱が集まります。
そうすると、頭痛、のぼせ、ふらふらする、顔から汗が出るなどの症状が出てしまいます。さらに、自律神経の中枢は頭部にありますので、自律神経が乱れてしまい、様々な症状が出てしまいます。
頭を冷やしめにしておいた方が良いです。
頭寒足熱(ずかんそくねつ)という言葉が、ぴったりです。
暖房が効いているところに、入った時には、上着を脱ぐなどの対策で、熱がこもらないようにするのが良いです。
暖房のエアーが直接体に当るのが一番辛くなりやすいので、それは立つ位置とかエアコンの風量とかで調整をしてもらうのが良いかと思います。
寒暖差疲労も出やすくなりますので、ご注意をされて下さい。
学生さんの気象病について
2017年10月28日 17:28更新
専門外来コラム
台風22号が予測よりはゆっくりと台風が近づいてきているようです。
台風22号より、本州寄りにある、前線を押し上げているので、大雨が数日続きそうです。
そのため、前線の影響→台風の影響となりそうです。
気温も下がってきていますので、気象病の方は、体を冷やさないようにして下さい。
気象病は、小学校高学年頃~中学生で初発の症状が出ている方も多いです。
共通している要因として、姿勢が悪く、首肩のこりがあります。
この原因の一つとして、鞄の重さが関係しています。
小学生のランドセルは、以前より大きくなり、内容量も増えています。リュックの方が肩にかかる負担が分散はされますが、荷物が重いと後ろから引っ張られます。それに対抗しようと、首は前に出てしまいストレートネックに近い状態となります。
中学生以降の肩掛けカバンでは、バランスが悪くなってしまい、首肩のこりに左右差が生じやすいです。
ランドセル、肩掛けカバンとの違いはあっても、荷物が重たいことで、体への負担が増えてしまいます。
電車やバスの移動時には、足元に荷物を置けるのが良いのですが、なかなかそうもいかないでしょう。
成長期に骨格の歪みや首肩こり、姿勢が悪くなってしまうと、リセットするのに時間がかかってしまいます。
少しづつでもストレッチ、運動などを取り入れていくことが、根本的な治療になります。
冬場は体を少し温めること、夏場は冷房で冷やしすぎないことも重要です。
デスクワークやスマホ使用時間の多い方々も、出来れば15分に1回1-2分程度のちょっとしたストレッチが出来れば、疲労の蓄積は少なくて済みます。
起立性調節障害と気象病の関係について
2017年10月24日 10:23更新
専門外来コラム
久しぶりの晴天ですね。
今日10/24火曜は天気が良く高気圧となっています。気象病の方は、今日は一安心かと。
しかし、明日は、また雨予報です。ご注意を。
起立性調節障害と気象病について話しをしたいと思います。
起立性調節障害 (Orthostatic Dysregulation:以下OD)とは以下の診断基準を満たします。
ODの症状
- めまい、立ちくらみが起きやすい
- 起立時の気分不快、意識消失が起きやすい
- 座位や立位での動悸や息切れが起きやすい
- 起床できず、午前中は調子が悪いが起きやすい
- 顔面の血色不良が起きやすい
- 入浴やストレスで体調不良が起きやすい
- 食欲不振、吐き気が起きやすい
- 腹痛、下痢が起きやすい
- 倦怠感が起きやすい
- 頭痛が起きやすい
- バス酔い、電車酔いなど乗り物酔いをしやすい
これら11項目のうち3つ以上に当てはまり、下記のサブタイプのいずれかに一致することで診断されます。
ODサブタイプ
- 起立直後性低血圧:起立直後に強い血圧低下があり、立ちくらみを訴えます。
- 体位性頻脈症候群:起立後の血圧低下はありませんが、頻脈、めまい、ふらつき、頭痛、呼吸苦などを訴えます
- 神経調節性失神:起立中に収縮期血圧、拡張期血圧ともに低下して、失神となります。貧血症状と似ています。
- 遷延性起立性低血圧:起立後数分経ってから血圧が徐々に下がってきます。
気象病の方で、布団から起き上がれない、朝の全身倦怠感が強いという方がいます。
起床時には、通常は交感神経が優位となって、問題無く起き上がれます。しかし、ODや気象病の方は、起床時に副交感神経が優位となっています。
そのため、OD+気象病の方が多いのが実際です。両疾患とも自律神経が乱れていることが原因となっているため、オーバーラップしていると考えます。
OD+気象病の方は、より症状が重い傾向があります。そのため、不登校や出勤困難が続いて、日常生活に支障をきたす場合が多いです。
ODは成長期により頻度が高くなりますが、デスクワーク+スマホの時間が長い女性の方にも多く見られています。
当院では、体位性頻脈症候群の方が多いです。
ODと診断され、治療を受けていてもあまり改善していない方は、気象病の治療を行うことで良い結果が見られています。
今回の台風による気象病について
2017年10月22日 07:54更新
専門外来コラム
今、日本列島に近づいている台風と気象病に関してです。
秋雨前線が、日本列島にいる時に、中心気圧が925hPaという大型の台風が、合流をする形になってしまいます
そのため、気圧の変化は非常に大きくなります。
①台風通過までの気圧低下、その後の急激な気圧上昇に注意が必要です。
②台風通過までの低めの気温、その後の急激な気温上昇。最低でも5℃以上の変化となります。そのため、寒暖差疲労も出やすくなります。
お体には特に注意が必要となります。ご注意を。
明日10/23月曜は、通常通り8:30から診療を行っております。
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