せたがや内科・神経内科クリニックBlog



春に起こりやすい不調・寒暖差疲労①

2024年3月12日 14:06更新
専門外来コラム


春に起こりやすい不調・寒暖差疲労①

 

今年度も終わりに差し掛かってきました。気温も少しずつ上がり、日差しの暖かさを感じるようになってきたと思います。春になると卒業式や入学式などの行事や、桜も咲き始めるのでお花見、おでかけなどの行楽イベントも増えますよね。せっかくなので元気に乗り越えたいところですが、春は寒暖差や気候変動が激しかったり花粉が飛んだり。自律神経が乱れやすく、体調にも負担のかかる季節でもあります。

今回のコラムでは、春に起こりやすい不調の特徴についてご紹介していきます。

 

  • 春の気候の特徴

春の気候は、何と言っても寒暖差が大きく変化が起きやすいです。季節の変わり目なので、1日の気温差が大きいだけでなく、日によって冬に戻ったり夏寄りの気候になったりと、目まぐるしく気候が変動します。そして、風が強く空気が乾燥しています。昨年の春は「春の熱中症」が特集されていたくらいなので、目ぼしがつきにくい季節です。

 

暖かいと思ったら寒さを感じて体が冷えたり、乾燥で目や喉の調子が優れなかったりします。気圧も安定しないので、季節に体が馴染むまでが大変です。また、暖かさを感じる頃からスギ花粉や黄砂が飛び始めるので、気温、気圧、湿度、花粉など、さまざまな要因が重なると、心身にかかる負担が大きくなります。

 

  • 春に起こりやすい不調は?

①寒暖差疲労・寒暖差アレルギー

寒暖差疲労とは、気温差によって起こるさまざまな不調のことをいいます。具体的には、疲労感、倦怠感、首肩こり、冷え性、咳や鼻水などのアレルギー症状、メンタルの不調などがあります。春は寒暖差が大きいので、専門外来でも、ぐったりと疲れてしまったり、なんとなく調子が出ないという方が増えてくる印象です。

 

人間の体は、どんな環境にいてもおよそ36℃~37℃くらいの平熱で保たれています。外の気温が上下した時は、環境の変化に対応するために自律神経が体温を調節するようにはたらきます。そのため寒暖差が続くと、体温を一定に保つために自律神経がたくさんはたらかなければいけないので、エネルギーが消耗されてしまいます。

 

②花粉症

春は花粉の季節ですね。3月はちょうどスギ花粉のピークに値する時期でしょう。花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー症状のことを指します。症状は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどです。喘息やアトピー性皮膚炎につながることもあります。一般的には、スギ花粉・ヒノキ花粉による花粉症が多いです。人によってはブタクサやヨモギ、イネ科の植物など秋に飛散する花粉で症状が出る方もいます。

 

最近では、モーニングアタックと言って、朝早くの時間に花粉症の症状が強く出やすいことがわかっています。ウェザーニュースさんの調査によると、花粉症が辛い時間は、1位が14時頃、続いて2位が6~8時頃となっています。

朝目覚めたときは、副交感神経が優位な状態から、交感神経が優位な状態に切り替わる時間です。交感神経にスイッチが入るタイミングなので、鼻が刺激に過敏になっている時間帯でもあります。花粉を始め、布団や室内のハウスダストなども混ざって吸い込むことで花粉症の症状が出やすいです。

 

③メンタルの不調

自律神経はとにかく「変化に弱い」という性質を持っています。春は気候だけではなく、年度末・年始始めということもあり、卒業や転職、入学や就職、引っ越しなど環境の変化も大きいシーズンです。つまり、とても自律神経が乱れやすい状況にあります。また、寒い季節は交感神経が優位にはたらく量が多くなりやすいのですが、春になって急にあたたかさを感じるようになると、全体的に、日中でも副交感神経の活動が増えます。すると、心身にスイッチが入りにくくなり、怠さや元気の無さを感じやすくなります。

 

自律神経が乱れると心の面でも不安定になりやすいので、さまざまなストレスが積み重なって対処しきれなくなってくると、メンタルの不調も出てきます。感情がコントロールできない、無気力になってしまった、などという方は、心の問題だけでなく自律神経にも目を向けて対策をしてみましょう。

 

④肌トラブル

寒暖差や乾燥による肌へのストレスや、紫外線、花粉・黄砂などの刺激などによって、春は肌にとっても辛い季節です。自律神経が乱れていると、体の免疫機能が正常にはたらくことが難しくなり、肌荒れなどの肌トラブルが生じやすくなります。肌の調子は体の外側・内側どちらからもケアできるように意識した方が良いでしょう。

 

⑤腰痛

最近、寒暖差の影響で痛みが出る方が増えています。「寒暖差腰痛」と、呼ばれているようです。暖かいと何となく体の緊張が抜けていると思いますが、寒くなると体が縮こまりますよね。寒暖差に合わせて緊張したり緩んだりを繰り返すと、不意のタイミングで腰を痛めやすいです。特に今年は、寒暖差腰痛を訴える方が多くなっています。

 

自律神経は体温調節をするのに重要なはたらきをしており、寒暖差が大きい季節には自律神経が酷使されて乱れやすくなります。自律神経が乱れると、血流が悪くなるので冷えにつながります。血管が収縮し、筋肉が硬くなることによって末梢神経という神経が圧迫され、腰痛を引き起こすこともあるでしょう。特に日本は座りっぱなしの姿勢で過ごしている人が多いです。座っている方が腰への負担が大きくなるので、デスクワークの方は立ったり歩いたりする時間を積極的に取っていきたいものですね。

春は明るいイメージがありますが、健康面で考えると少し負担の大きいシーズンです。

「なんとなく」の不調がある方も、しっかり対策をして元気に過ごしたいですね。対策については次回のコラムでご紹介していきます。

 



寒暖差疲労の基本知識

2024年2月25日 23:01更新
専門外来コラム


≪寒暖差疲労の基本知識≫

 

最近は寒暖差が大きく、春めいてきたり極寒になったりと、季節がわからないような気候が続いておりますね。今年度は特に、年間を通して寒暖差が大きくなることが多かったと思います。ここ2~3年では「気象病」や「低気圧不調」などの気圧変動による体調不良が注目されるようになりましたが、少し遅れて「寒暖差疲労」というワードも広まりつつあると感じています。寒暖差による不調は今まではあまり知られていませんでした。しかし最近では取材を受ける回数も増え、少しずつ認知されてきているのではと思っています。

今回は寒暖差疲労の基本的な知識について書いていきます。

 

  • 寒暖差疲労とは?

寒暖差疲労とは、気温の変化が原因で生じるさまざまな不調を言います。寒暖差というのは、1日のうちの最高気温・最低気温の差、前日との気温差、1週間単位での気温差、室内外(冷房の効きすぎた部屋やお風呂場など)での気温差などが当てはまります。目安ではありますが、1日の気温差が7℃以上になると不調が出やすいです。

 

寒暖差は私たちの体にとって大きなストレスであり、自律神経にも負担がかかります。そのため、体が寒暖差に適応しようとエネルギーを消耗、疲労が蓄積し、疲労感・倦怠感などを中心とした不調が出ます。寒暖差疲労以外にも、寒暖差アレルギーと言い、鼻水・くしゃみなどのアレルギー症状が出るものもあります。

 

  • どんな症状?

気温差が大きくなると、自律神経が乱れます。寒暖差疲労の症状は、疲労感・倦怠感・だるさ、首肩こり、冷え、皮膚のかゆみ、めまい、気分の落ち込みなど様々あります。人によって出やすい症状が変わってくるので、寒暖差が原因であることに気づきにくいのも特徴です。

 

外気の激しい気温差により、体内の温度調整がうまくいかなくなっている状態なので、「顔は火照っているのに手足やお腹が冷えてしまっている」といったような現象が起きやすいです。冷えは万病の元というように、体が冷えてしまうと他の不定愁訴も連動して起こりやすくなります。不調が連鎖してしまうと辛いですよね。

 

寒暖差疲労と類似して、寒暖差アレルギーというものもあります。寒暖差アレルギーの症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、咳などです。この時期だと花粉症と間違われてしまうことも多いですが、花粉症とは違って目の症状(目のかゆみや充血など)が出にくいです。正式名称は血管運動性鼻炎と言います。

 

  • 気をつけたい季節とシチュエーション

寒暖差が大きくなり、不調を感じやすいのは春・秋です。しかし最近では「季節外れの○○」という天候ばかりなので、1年中気にかけておいた方が良いかもしれませんね。

寒暖差の影響を受ける気温差の目安は7℃以上です。特に、暖かさ・寒さの両方を体感するような気温差が生じると、より寒暖差の影響を受けやすいと思います。どういうことかと言うと、同じ8℃差の日があった時、「8℃(最高気温)と0℃(最低気温)の日」・「20℃(最高気温)と12℃(最低気温)の日」では、後者の方が寒暖差を感じやすいということです。服装を変えなければいけないほどの差があるときは、寒暖差が大きいと考えた方が良いでしょう。

 

  • 対策

①規則正しい生活

自律神経にとって、不規則な生活ほどダメージが大きいものはありません。自律神経の乱れで体を壊してしまう方は、交代制勤務のお仕事、働きすぎ、運動不足などが多いです。自律神経に負担のかかる生活をしていると、その分寒暖差による負荷にも弱くなってしまいます。基本的なことなのですが、規則正しい生活は丈夫な自律神経でいるためにはとても大切な習慣です。朝起きて日光を浴び、日中は適度に動き、夜になったら寝る、そして栄養バランスの良い食事を腹8分目、ストレスを溜めすぎず十分な休息を取る、といったように基本を意識してみましょう。

 

②脳腸相関

脳と腸が互いに影響し合っていることを、「脳腸相関」と言います。免疫系、内分泌系、神経系を介して、脳と腸はさまざまな情報交換を行っています。

腸の調子が良いと、その情報が脳に届くので、身体や心の調子も良くなるという訳です。腸が健康でいられれば、お腹の調子が良いだけでなく、自律神経をはじめ、心身のバランスも整っていきます。

ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品などを取り入れる習慣がつくと、お腹も心も喜んでくれます。  

即効性はないですが、続けていくと効果が出てきやすくなります。

 

③体温調節のできる服装

寒暖差が大きいと、朝晩と日中では適切な服装が変わってきます。無理して同じ服装でいると、昼間にのぼせて具合が悪くなったり、朝晩の冷え込みで体を冷やしてしまったりすることになります。寒暖差の大きいシーズンは、簡単に脱ぎ着できる服装を選ぶことを優先しましょう。また、汗を吸いやすい生地の服にすると、尚のこと快適に過ごせると思います。最近の天気予報では、気温に合ったおすすめの服装などが紹介されていますよね。何を着ようか迷った時は天気予報を参考にしてみてください。

 

④入浴で首まで浸かる

私は、寒暖差疲労の対策として入浴を推奨しています。入浴は日本人にとっては身近で当たり前のような習慣ですが、入浴にはさまざまな健康効果があります。寒暖差疲労では、体が冷えたりのぼせたりすることで、体内の熱の分布がおかしくなってしまっています。そこでお風呂にゆっくり浸かると、冷えて滞った血流が良くなり、全身が温まります。1日の冷えがリセットされているようなイメージです。

 

毎日シャワーで済ませてしまう人と、夜にお風呂に浸かってからぐっすり眠る人とでは、自律神経や冷えの面でも健康効果に大きな差が出ます。そして、「首まで浸かる」というのもポイントです。首には重要な神経がたくさん通っているので、自律神経を整えるのに大切な部分です。首を温めることでさらにリラックスができ、首肩こりも楽になります。

 

⑤首のストレッチ

最後に首のストレッチです。私たちの日常生活は基本的に下を向いている時間が長く、首に大きな負担がかかっています。そのため、日頃から首のストレッチを行ってケアをしてあげることが大切です。

※まずは長めのフェイスタオルを用意しましょう。

 

≪1≫両手でタオルを横に長く持つ。

 

≪2≫顔は正面を向いて、タオルの中心が首の付け根あたりに引っかかるように、ポジショニング。

 

≪3≫顔をやや上方向に向けて、タオルを持った両手は上向きに軽くテンションをかける。気持良いと思う程度の力で大丈夫です。このまま10秒キープ。呼吸は止めないこと。

 

≪4≫今度は下を向いて、タオルを持った手もやや下向きに力を入れる。こちらも強く引っ張り過ぎないこと。これも10秒キープ。

 

≪1≫~≪4≫を2・3セットほどできると良いと思います。

首は繊細な場所なので、くれぐれも力の入れすぎにはご注意ください。タオル1本で簡単にできるのでぜひやってみましょう。



自律神経失調症専門外来の提携トレーナー:賀来大樹さん

2023年12月3日 20:13更新
専門外来コラム


 

自律神経失調症専門外来の提携トレーナー:賀来大樹さん

 

今年は寒暖差が大きく、なかなか楽に過ごせるシーズンが少なかったですね。

久しぶりの専門外来コラムですが、今回はいつもとは違う内容を。

ある方のご紹介をしようと思います。

 

せたがや内科・神経内科の自律神経失調症外来・気象病外来・肩こり・首こり外来では、パーソナルトレーナーさんと提携して治療を行っています。患者さんの治療を行う上で大変力になって頂いているのが、賀来大樹(かくだいき)さんです。スタジオrenatoの代表をされています。今までは非公開だったのですが、彼がyoutubeで発信を始めてくれたので、ここでもご紹介しようと思います。

 

気象病ハンドブックの後半にあるセルフケアの監修をしてくださった方です。

 

自律神経の不調や原因不明の体調不良でせたがや内科・神経内科を受診されている方は、骨格の歪みや筋肉の凝りが目立ちます。レントゲンを撮ると、反り腰や猫背、ストレートネック、側弯(背骨が横に曲がっている)などを持っている方が大半です。

 

骨格の歪みが少なからず不調に影響を与えているので、すぐに骨格の矯正でもできたら良いのですが、残念ながら今の医療では、骨格の歪みそのものを治す手段が存在しません。

 

私の話になりますが、開業当初は、私自身が患者さんにストレッチや運動の指導をしておりました。しかし、それだけでは「根本から治すことができない」という壁にぶつかり、整骨院や鍼灸、理学療法、カイロなどの専門家と連携してみましたが、患者さんの不調が完全に無くなる訳ではありませんでした。症状は大きく改善はしますが、しばらく経つと戻ってしまうという傾向がありました(戻る割合が多かったのです)。

 

そこで、パーソナルトレーナーである賀来さんとの出会いが大きな転機となります。パーソナルトレーナーのお仕事は、アスリートなどのパフォーマンス向上や、クライアントのボディメイク、健康増進など多岐に渡りますが、賀来さんには、運動療法と称して患者さんの骨格のコンディショニングを主にお願いしています。

 

運動療法の中には、皆さんがご想像するようないわゆる筋力系のトレーニングもありますが、それだけではなく、ピラティスや整体なども手段の一つとして取り入れているようです。

 

運動が体にとって良いことだ、というのは1人の人としても医師としても知っていたつもりでしたが、彼と出会ってから、運動が思っていたよりもずっと奥が深く繊細な領域だと知りました。患者さん一人ひとりの症状に合わせて治療を行うように、運動にも一人ひとりに合わせた処方のようなものがあるのですね。詳しくは気象病ハンドブックのコラムに書いていますのでぜひ。

 

医師としては、患者さんを問診や不調の全体像を把握、レントゲンや他の検査で骨格を評価、お薬が必要な場合は薬の処方、などをしています。私が呼吸の方法や簡単なストレッチ、生活習慣などの指導をして、改善がどうしても難しい場合は、賀来さんにご紹介することになっています。

 

彼がみることのできるお客さんの枠が少ないため、正直、患者さん全員をご紹介するのが難しい状況でした。今回動画で発信をされるというお話を聞いて、今までより多くの患者さんに正しいセルフケアの方法を届けられるようになることがうれしいですね。

 

私自身も賀来さんに身体をみて頂いているのですが、おかげで首肩こりや身体の不調がリセットされ、山積みの仕事をなんとかこなすことができています。

 

***

 

動画の概要です。

 

第1回のテーマは

「ストレートネックや肩こり等の不調が治らない理由と7つの改善エクササイズ」

 

せたがや内科・神経内科にも首肩こり外来があるように、肩こりに悩んでいる方はたくさんいると思います。肩こり対策の本や動画も数多く発信されていますよね。

色々試してみるものの、みなさんの中には「一時的にしか効果が無かった」、「あまり良くなった感じがしない」、という経験をされたことがある方は少なくないと思います。

 

「筋肉の凝り=ほぐす」という印象があるかもしれません。しかし、肩が凝っているからと言ってただストレッチだけをすればよい、という訳ではないのが実情です。(私もこれを知った時には驚きました。)

 

人によって原因がさまざまなので、根本を解決するためには、まず自分の心身の状態を把握することが大切です。それを評価と呼んでいます。自分の身体がどれだけ動くのか、どれだけ身体が緊張しているのかなど、意外と知らないものですよね。

 

この動画では、肩こりが中々治らない原因や、簡単な評価の方法が紹介されています。自分の身体を知っていくことから始めましょう。

 

個人的には、さまざまな根拠が説明してあり、骨格の絵や矢印がわかりやすいので、「なぜこの不調にこの運動が良いの?」という疑問を持たれている方にぜひお勧めしたいです。

クリニックにいらした患者さんにも、セルフケアの参考としてお勧めしていこうと思います。















夏バテに関する47都道府県意識調査 リンナイ調べ

2023年7月12日 08:59更新
メディア掲載情報


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000015237.html

フルバージョンは上のURLから見ることが出来ます。

リンナイ 熱と暮らし通信

調査結果を使用する際は「リンナイ調べ」と明記するか、下記担当者までご連絡をお願いします。

夏バテに関する47都道府県意識調査

 

8割が経験する夏バテ 夏本番前から不調が?

6割が身体を冷やすNG行動 正しい対処は「温とオフ」

 

今年も夏が近付いてきました。最近では、夏本番を迎える前から夏バテのような症状に悩む方が多いようです。この度、リンナイ株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:内藤 弘康)は、医学博士の久手堅司先生に監修いただき、全国47都道府県別の20~60代の男女計2,350名を対象に、夏バテに関する意識調査を実施しました。

主な調査結果

  • 夏バテの経験8割 1位群馬・宮崎は9割 夏前から4割がバテている? 早期化の原因は生活習慣
  • 自己流の夏バテ対処法 6割が身体を冷やすNG行動 自律神経の乱れには「温とオフ」
  • 暑さ対策の落とし穴 夏バテの原因はエアコンの使い方にも?
    エアコンの使い方総点検 6割が真夏日までおあずけ 岐阜は我慢強い?
  • 今夏の節電 東京エリアは神奈川・山梨が牽引?
    夏バテ・節電の暑さ対策 定番は日傘、扇子・うちわ 埼玉はメンズ日傘で熱ストレス回避
  • 全く運動しない5割に朗報 夏バテ予防に期待 入浴による「暑熱順化」の獲得
  • 久手堅先生監修「夏バテチェックリスト」 夏バテ予備軍3割、最も多い地域は富山
  • 正しい夏バテの対処法 「温とオフ」で自律神経を整える
  • リンナイPR事務局 (株)プラチナム 福田・甲原

TEL: 03-5572-6080 FAX: 03-5572-6075 MAIL: Rinnai@vectorinc.co.jp

 

夏バテ経験8割 1位群馬・宮崎は9割

夏前から4割がバテている? 早期化の原因は生活習慣

調査対象者に、夏バテの経験有無を聞きました。その結果、8割がこれまでに夏バテを感じたことがあると答え、地域別では「群馬・宮崎(90%)」が最も多く、反対に「沖縄(64%)」が少ないことが分かりました。

また、4割が夏本番前の7月前半までに、夏バテを感じていました。

Q1. あなたはこれまでに夏バテを感じたことがありますか。(単一回答N=2350)

夏バテ経験あり 78%

 

夏バテ経験なし 22%

地域別 夏バテ経験の割合(N=50

1

群馬

90%

 

宮崎

 

3

千葉

86%

 

・・・

 

45

埼玉

66%

 

長崎

 

47

沖縄

64%

Q2. 夏バテを感じたことがある方に伺います。一年の中でいつから夏バテを感じ始めることが多いですか。
(単一回答N=1828)

4月以前  0%

5月    7%

6月    17%

7月前半  17%

7月後半  22%

8月    22%

9月    6%

10月以降  1%

 

久手堅先生コメント

夏バテとは、夏季の高温と多湿に対応できずに起こる不調の事です。夏の気候で身体に負荷がかかり、夏を過ぎる頃には疲れ果ててしまうのです。

7月前半までに4割が夏バテを感じているのは、梅雨の高温・多湿の影響によるものでしょう。夏バテの早期化は、近年の温暖化の進行に加え、生活習慣に起因する自律神経の乱れも原因と考えられます。特に、睡眠不足や運動不足、スマホやPC使用時間の増加、精神的ストレス、カフェインやアルコールの過剰摂取、胃腸の状態の悪さなどが自律神経を乱す要因となります。

 

夏バテの9割 だるさ・全身倦怠感 女性は頭痛・めまいも
自律神経の乱れに多い症状

 

夏バテの経験者に主な症状を聞きました。その結果、最も多い回答は男女ともに「だるさ・全身倦怠感(男性:90%、女性:91%)」でした。「頭痛(女性:28%)」や「めまい(女性:17%)」など、女性は男性に比べて複数の症状に悩まされていることが分かりました。

 

Q3. 夏バテを感じたことがある方に伺います。どのような症状を経験したことがありますか。
(
複数回答、N=男性:852、女性:976)

 

 だるさ、全身倦怠感 女性91%、男性90%

 

頭痛        女性28%、男性17%

 

めまい       女性17%、男性11%

 

首肩こり      女性16%、男性11%

 

吐き気、嘔吐    女性11%、男性8%

 

朝起きられない   女性11%、男性5%

 

抑うつ状態     女性7%、男性5%

気分の落ち込みなど

 

動悸        女性7%、男性4%

 

便秘、下痢     女性7%、男性4%

 

冷え性       女性7%、男性3%

 

その他       女性24%、男性21%

 

 

 久手堅先生コメント

だるさ・全身倦怠感は、体温調整で自律神経に負担のかかる夏季に強く出やすい傾向があります。起床時から感じる方が多いのも特徴です。女性は頭痛持ちが多いのですが、今回の調査でも男女の差が見られました。生理によってホルモンバランスが崩れやすいことから不調がより出やすいのです。

めまいや吐き気なども含め、これらの症状は自律神経の乱れが原因と考えられます。夏バテには多くの症状があり、人それぞれ異なります。単に暑いから調子が悪い、と考えるのではなく、まずは患者自身がしっかりと症状に向き合い、正しい対処法を理解しましょう。周りから理解されづらいため苦しむ患者さんもいます。周りもサポートできるような世の中にしたいですね。

 

自己流の夏バテ対処法 6割が身体を冷やすNG行動
自律神経の乱れには「温とオフ」

 

夏バテの経験者に、その対処法を聞きました。

最も多い回答は「冷たい食べ物や飲み物を摂った(63%)」、

続いて「エアコンや扇風機を利用して室温を下げた(53%)」、

「冷たいタオルや氷で身体を冷やした(34%)」など、

いずれも身体を冷やす方法が多く挙がりました。

 

Q4. 夏バテを感じたことがある方に伺います。 あなたは、夏バテを感じたときにどのように対処しましたか。 当てはまるものを全てお選びください。(複数回答N=1828)

だるさ・全身倦怠感におすすめ 内蔵・骨盤内のマッサージ

肋骨の下にある腹直筋をほぐして血流を促し、内蔵の働きを活性化させます。

  • あぐらを組んで座り、肋骨の下側に4本指を

グーっと押し込んで腸直筋をマッサージする。

【POINT】軽く腰を丸めると指が入りやすくなります。

  • 続けて骨盤をつかみ、4本指を骨盤の奥に押し込んで

大腰筋、小腰筋、腸骨筋をマッサージする。
【POINT】腹直筋をゆるめると横隔膜の運動もスムーズに
なります。横隔膜の動きが良くなると無意識下の呼吸が
深くなるため、自律神経の切り替えがうまくいくようになります。

 

久手堅先生コメント

暑さ対策に身体を冷やすことは必要ですが、現代の夏バテの対処法としては注意が必要です。その理由は、外出先の建物や自宅などでエアコンの冷気にさらされ、屋外に出るたびに急激な温度変化を繰り返す、屋内外の温度差による寒暖差疲労を起こしていることが考えられます。不調を感じたら、マッサージや温かい食事、入浴などの方法で身体を温めましょう。

また、心身の回復には休息が不可欠です。「仕事を休んだ」が5%など、自律神経を整えるために必要なストレス回避やリラックスなど、身体を休ませている方はわずかでした。症状を長引かせないためにも、身体を温める「温」と、休ませる「オフ」でこの夏を乗り切りましょう。

 

暑さ対策の落とし穴
夏バテの原因はエアコンの使い方にも?

 

普段の暑さ対策に関して聞きました。

最も多い方法は「エアコンの冷房を使う(76%)」でした。

エアコンに続く対策は「扇風機を使う(61%)」、

「冷たい食べ物や飲み物を摂る(51%)」でした。

 

Q5. あなたは、暑さ対策としてどのようなことを行なっていますか。 (N=2350)

エアコンに関する悩み

年代・性別

地域

内容

20代女性

長野

冷房をつけたいが、電気代が気になるし、体調が悪くなる

30代男性

和歌山

エアコンを使い過ぎると体調を崩すことがある

40代男性

茨城

エアコンの冷気が苦手

40代女性

長崎

エアコンを使うと冷え性のため手足が冷え、肩こりや頭痛が起きる

50代女性

奈良

職場の冷房が強く、外気温との差が大きいためしんどい

 

久手堅先生コメント

エアコンは湿度も下げてくれることから、暑さ対策としては最も効果的です。しかしその使い方を間違えると、不調の原因を作ることになります。正しい使い方を理解して、快適な夏を過ごしましょう。

暑い時期なので、冷たい飲み物や食べ物を口にすることが多くなりますよね。しかし、冷たいものをとりすぎると内臓が冷えてしまいます。内臓の冷えは、自律神経の乱れへとつながっていく場合が多いです。温かい食べ物や入浴で身体を温め、冷たい飲み物や食べ物、カフェインやアルコールは摂り過ぎないようにしましょう。内臓が冷えると食欲の低下、胃痛、吐き気、腹部膨満感、吐き気、下痢や便秘気味などが出やすくなります。

 

エアコンの使い方 6割が真夏日までおあずけ
岐阜は我慢強い?

 

エアコンの利用者に使い始める外気温を聞きました。その結果、夏日(25〜29℃)は4割、真夏日(30〜34℃)は6割、猛暑日(35℃以上)は1割でした。それぞれ地域別で見ると、夏日は北海道(68%)と沖縄(57%)、真夏日は栃木(75%)と愛知(70%)、猛暑日は岐阜(29%)と群馬(20%)が最も多い結果でした。

また、冷房の設定温度は、最も多い回答が28℃(24%)、続いて27℃(19%)でした。23℃以下を設定する地域に寒冷地が多いなか、長崎(22%)が上位にランクインしました。

 

Q6. 自宅で冷房を使用する方に伺います。あなたは、外気温が何度のときに冷房を使用し始めることが多いですか。(N=2180)

猛暑日(35℃以上) 9%

 

真夏日(30~34℃)55%

 

夏日(25~29℃) 35%

 

24℃以下      2%

地域別 エアコンを使用し始める外気温

 

夏日

真夏日

猛暑日

1

北海道

68%N=37

栃木

75%N=44

岐阜

29%N=48

2

沖縄

57%N=44

愛知

70%N=47

群馬

20%N=50

3

石川

50%N=48

福井

69%N=49

新潟

17%N=46

Q7. 自宅で冷房を使用する方に伺います。 あなたの普段の冷房の設定温度を教えてください。(N=2180)

30℃  1%

29℃  2%

28℃ 24%

27℃ 19%

26℃ 17%

25℃ 18%

24℃   7%

23℃   4%

22℃   5%

地域別 設定温度23℃以下

1

秋田(N=41

24%

 

北海道(N=37

24%

3

岩手(N=40

23%

4

長崎(N=49

22%

5

山口(N=45

20%

久手堅先生コメント

最高気温が30℃を超える真夏日や、湿度が70%を超える日には、エアコンを使用した方が良いでしょう。ただし、暑さの感じ方は人それぞれのため、私の患者さんには、特定の温度ではなく暑さで不調を感じたら使用しましょうと伝えています。大切なのは無理をして我慢しないことです。調査の結果、真夏日からエアコンを使う割合が高いのは、北海道と沖縄でした。普段から涼しい北海道や、最高気温が他の地域に比べて高くない沖縄は、暑さが苦手なのかもしれません。また、猛暑日から使う割合が高いのは、岐阜と群馬でした。どちらも最高気温が高い内陸部です。群馬は夏バテ経験も1位ですが、岐阜の方は暑さに耐性があるのでしょうか。

エアコンの設定温度は25~28℃が目安です。室温を下げすぎると、表面体温だけではなく深部体温も低くなり、冷えによる不調を引き起こします。また、外気温との差が7℃以上になると、寒暖差で不調を感じる寒暖差疲労を起こしやすくなります。設定温度23℃以下に、暖地である長崎と山口がランクインしました。冷やしすぎに注意してください。

 

エアコン時間 最長は東京、最短は北海道が最多
今夏の節電 東京エリアは神奈川・山梨が牽引?

 

エアコンの中で過ごす時間を聞きました。その結果、もっとも多い回答が全国では8~10時間(15%)であったのに対して、地域別では、20時間以上が東京(28%)、2時間未満が北海道(22%)でした。

また、電気代高騰と猛暑が予想される今夏について、自宅のエアコンの使用頻度の見込みを聞きました。その結果、最も多い回答は「変わらない(67%)」でした。地方別の「減らす」の回答は沖縄(32%)、また「無理のない範囲での節電」が呼びかけられた東京エリアでは神奈川・山梨(24%)が全体より高い水準でした。

 

Q8. 夏の暑い時期について、あなたの普段の過ごし方を伺います。 自宅や外出先など、エアコンが効いた場所で過ごす1日の時間を教えてください。(単一回答 N=2350)

20時間~      14%

18~20時間未満   2%

16~18時間未満   2%

14~16時間未満   5%

12~14時間未満   8%

10~12時間未満   11%

8~10時間未満   15%

6~8時間未満     9%

4~6時間未満    14%

2~4時間未満     11%

2時間未満      9%

地域別(N=50

20時間以上

1

東京

28%

2

富山

26%

3

石川

22%

 

静岡

 

2時間未満

1

北海道

22%

2

長野

18%

3

秋田

16%

 

静岡

 

 

島根

 

 

山口

 

 

愛媛

 

 

大分

 

Q9. 今年の夏の気温は平年並みか高くなることが予想されます。その一方で、電気代の高騰が続いています。 あなたは、自宅のエアコンの使用頻度を変えるつもりがありますか。(単一回答 N=2350)

変わらない     67%

 

増やす       10%

 

減らす       15%

 

普段から使用しない   7%

 

地方別 減らすと思う

1

沖縄

N=50

32%

2

東北

N=300

20%

3

中国

N=250

17%

東京電力管内(N=50

神奈川・山梨

24%

茨城・栃木・千葉

14%

群馬・埼玉・東京

12%

静岡(管外含む)

10%

 

久手堅先生コメント

私たちは気温の変化に身体を徐々に慣らすことで夏の暑さに適応しています。長時間のエアコンが習慣になると、夏の暑さに耐えられなくなり夏バテを引き起こしやすくなります。日中のエアコンが避けられない場合は、上着を着て冷えすぎを防ぐようにしましょう。

反対に、電気代の高騰から、沖縄や神奈川、山梨の回答のようにエアコン控えが想定されますが、寝苦しい熱帯夜はエアコンを使用してください。熱中症の予防になるほか、睡眠の質を上げることで自律神経を整え、不調の原因を減らすことができます。節電の方法として、扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させることで、エアコンの設定温度を下げなくても涼しさを感じることができます。工夫しながらこの夏を乗り切りたいですね。

 

夏バテ・節電の暑さ対策 定番の日傘、扇子・うちわ
埼玉はメンズ日傘で熱ストレス回避

 

今回の調査で、エアコンに頼り切っている私たちの暮らしが明らかになりました。そこで、暑さ対策として携帯するグッズを聞きました。その結果、女性は「日傘(44%)」が最も多く、地域別では、東京(68%)、神奈川・三重・宮崎・沖縄(64%)が目立ちました。男性は「扇子・うちわ(19%)」が最も多いなか、地域別では「日傘」も埼玉(20%)、神奈川・高知(16%)で多く見られました。

 

Q10. あなたは、日中の暑さ対策にどのようなものを携帯していますか。(複数回答 N=1175)

日傘               女性44%、男性5%

扇子、うちわ           女性28%、男性19%

使い捨て冷汗ボディシート     女性17%、男性12%

首かけ扇風機・ハンディファン   女性17%、男性11%

冷却ネックバンド         女性12%、男性8%

冷汗タオル            女性11%、男性10%

ミニアイスパック         女性9%、男性4%

冷却スプレー           女性8%、男性10%

その他              女性1%、男性1%

携帯しているのはない       女性30%、男性59%

 

扇子・うちわ 1位(N=25

 

男性

女性

1

山梨・奈良

36%

神奈川・富山・奈良・山口・高知

44%

2

栃木・埼玉・千葉・神奈川・三重・京都・兵庫

28%

秋田・福島・栃木・群馬・佐賀

40%

日傘 1位(N=25

 

男性

女性

1

埼玉

20%

東京

68%

2

神奈川・高知

16%

神奈川・三重・

宮崎・沖縄

64%

 

久手堅先生コメント

ここに出てきたグッズは、暑さ対策として全て有効です。最近見かけるようになってきた首掛け扇風機・ハンディファンや、冷却ネックバンドは、首・体幹を冷やすという点ではより効果的なグッズでもあります。他のグッズと組み合わせて使用しても効果が上がりやすくなります。

暑さ対策グッズを上手に取り入れ、エアコン以外も活用する暮らし方を考えてみることも、夏バテ予防と節電につながります。

 

全く運動しない5割に朗報
夏バテ予防に期待 入浴による「暑熱順化」の獲得

 

生活習慣を確認するため、運動と入浴習慣を聞きました。その結果、運動については5割が「全くしない」、入浴は3割が「シャワーで済ませる」ことが分かりました。

Q11. あなたは普段、1週間のうちにどれくらい運動をしていますか。運動とは、息がはずみ、汗を軽くかく程度以上のものとします。(単一回答 N=2350)

10時間以上     1%

5~10時間未満    4%

3~5時間未満    6%

1~3時間未満   12%

30分~1時間未満  13%

30分未満      18%

全くしない     46%

 

Q12. あなたは普段、入浴時に湯船に浸かっていますか。(単一回答 N=2350)

毎日シャワーで済ませる    31%

週1~2回湯船に浸かる     14%

週3~4回湯船に浸かる     11%

週5回以上・毎日湯船に浸かる 45% 

 

 

入浴習慣の健康効果が明らかに2023年6月23日発表

九州大学とリンナイの共同研究によれば、週4日以上湯船に浸かる入浴習慣があれば、発汗量と血流量が上昇しやすいことが認められました。入浴により「暑熱順化」の獲得を促し、熱中症や夏バテしにくい身体をつくることが期待できます。

 

久手堅先生コメント

人間は体温を36~37℃程度に保つことで健康を維持しています。体内が高温になると細胞が破壊されてしまうことから、体温を下げるために末梢血管を拡げ、それでも下がらなければ発汗し、身体の表面から熱を逃がします。人間の身体はよくできたもので、暑さにさらされると徐々に血流量や発汗量を増加させ、熱を逃がす能力を上げていきます。身体が暑さに慣れるこの変化を「暑熱順化」と呼びます。

夏バテしやすい方は「暑熱順化」が獲得できておらず、体温調整が苦手な場合が多いです。発汗量や血流量を増加させるためには、運動が効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で負荷をかけると、四肢の末梢血管の血流量が増加し、そして発汗へとつながっていきます。運動習慣がない方でも、入浴時に湯船に浸かる方法があります。38~40℃位のお湯に10~15分間、首までしっかり浸かると軽い運動と同等の効果が期待できます。

 

久手堅先生監修 夏バテチェックリスト
あなたの夏バテ危険度は?

 

夏バテしやすい生活習慣が確認できる「夏バテチェックリスト」を、気象病専門家の久手堅先生に作成していただきました。チェック数に応じてあなたの「夏バテ危険度」が判別できます。

  • 汗をかきにくい
  • 空調の効いた場所にいる時間が長い(寒暖差に対して慣れが少ない)
  • 冷たい飲み物、食べ物をとることが多い
  • 胃腸の不調がある(食欲の低下、胃痛、吐き気、腹部膨満感、吐き気、下痢や便秘気味)
  • 睡眠が足りていない(寝つきが悪い、夜中に途中で起きてしまう、早朝に目が覚める)
  • 朝起きた時に調子が何となく悪い
  • 運動する習慣があまりない
  • 生活リズムが不規則である
  • 入浴はシャワーで済ますことが多い

 

チェックの数

判定結果

6個以上

夏バテ予備軍: 今すぐに生活習慣を見直しましょう。体調が悪いときは無理をせず休むことも必要です。仕事や育児、介護に困ったら周りに助けを求めましょう。

35

要経過観察: 夏バテになる可能性が高いです。食事や運動、入浴の方法など、できることから改善してみましょう。

2個以下

異常なし!: いまの生活習慣を続けるよう心がけましょう。

 

 

久手堅先生監修 夏バテチェックリスト 解説

 

  1. 汗をかきにくい

高温多湿の夏は体温が上がりやすくなります。汗をかくことにより気化熱で体温を下げるため、汗をかきにくいと体温調整がしにくいことが多いです。汗をかきにくいと体温が高くなりやすく、夏バテだけではなく、熱中症にもなりやすくなります。

  1. 空調の効いた場所にいる時間が長い

空調が効いているということは、寒暖差の少ない環境で過ごす時間が長くなります。普段から外気に触れていれば、適度な気温の変化により交感神経と副交感神経のバランスをとる場面が増えます。長時間空調が効いた部屋で過ごしていると、自律神経は、急激な気温の変化に対応しづらくなります。寒暖差に対応がうまく出来なくなると、夏バテになりやすくなります。

  1. 冷たい飲み物、食べ物をとることが多い

暑い時期なので、冷たい飲み物や食べ物を口にすることが多くなりますよね。しかし、冷たいものをとりすぎると内臓が冷えてしまいます。内臓の冷えは、自律神経の乱れへとつながっていく場合が多いです。

  1. 胃腸の不調がある

近年、脳腸相関が注目されています。脳の状態が腸に影響を及ぼし、腸の状態も脳に影響を及ぼしています。そのため、腸は第二の脳と言われています。精神的なストレスがかかる場面で、お腹が痛くなったりするのも、脳と腸が関係していることを示す一例です。また、胃も同じように脳と相関しているとされています(胃脳相関)。日頃から胃腸の不調を感じている方は、自律神経も乱れがちで不調が出やすくなります。夏バテにもなりやすいという事になります。

  1. 睡眠が足りていない

睡眠は、心身の回復に最も重要です。入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒がある場合は、睡眠が足りていない場合が多いです。睡眠が足りないということは、疲労回復が十分でないことを意味します。日本人は、睡眠不足というデータもあります。また、日本の夏は、高温多湿でより快適な睡眠をとりにくい環境にあります。

  1. 朝起きた時に調子が何となく悪い

朝起きた時に、良く眠れた、すっきりしたと感じるときには、前日までの疲労から回復しているという事です。起床時に不調を感じていると、その日一日、不調を引っ張ることになることが多いです。

  1. 運動する習慣があまりない

運動することで、基礎体力が向上し、自律神経のバランスも整えてくれます。適度な運動は睡眠の質も改善してくれます。

  1. 生活リズムが不規則である

私たち人間を含め、地球上の生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ一日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれています。そのため、生活リズムも一定の場合が望ましいのです。朝、太陽光を浴びることで、体内時計のずれがリセットされます。夜寝るためにも、日光を浴びることは重要です。

  1. 入浴はシャワーで済ますことが多い

湯船につかることは、身体を温めるだけではなく、お湯の水圧で全身の血流が良くなる効果があります。筋肉のこりもほぐれます。精神的にも肉体的にも、リラックスする効果が期待できます。夏バテを感じる方は、しっかりと身体を温めましょう。10~15分程度入浴し、湯船に浸かりながらゆったりとした時間を過ごすのがポイントです。

 

久手堅先生監修 夏バテチェックリスト

夏バテ予備軍3割、最も多い地域は富山

 

今回の調査対象者に、久手堅先生監修の「夏バテチェックリスト」を実施しました。その結果、危険度の高い「夏バテ予備軍」は3割、夏バテの対策が必要な「要経過観察」は5割でした。最もチェックが多い項目は「運動する習慣があまりない(66%)」、反対に少ない項目は「汗をかきにくい(23%)」でした。

「夏バテ予備軍」が多い地域は、富山(52%)、岡山(44%)、大阪・徳島(38%)でした。反対に少ない地域は、岩手・宮城(14%)、茨城・三重(18%)でした。

 

Q13. ご自身に当てはまる項目を選択してください。(単一回答 N=2350)

 

汗をかきにくい              23%

空調の効いた場所にいる時間が長い     55%

冷たい飲み物、食べ物をとることが多い   64%

胃腸の不調がある             39%

睡眠が足りていない            57%

朝起きた時に調子が何となく悪い      49%

運動する習慣があまりない         66%

生活リズムが不規則である         33%

入浴はシャワーで済ますことが多い     46%

 

2個以下 18%

 

3~5個 53%

 

6個以上 30%

夏バテ予備軍3割!

チェックの数

判定結果

2個以下

異常なし!

35

要経過観察

6個以上

夏バテ予備軍

夏バテ予備軍 都道府県ランキング

N=50

1

富山

52%

2

岡山

44%

3

大阪・徳島

38%

 

・・・

 

44

茨城・三重

18%

46

岩手・宮城

14%

久手堅先生コメント

「運動する習慣があまりない」が多いのに、「汗をかきにくい」が少ないのは意外でした。さらさらとした良い汗がかけているのであれば良いことですね。チェックが多かった「冷たい食べ物、飲み物をとることが多い」、「睡眠が足りていない」は、夏バテにつながりやすいので特に注意が必要です。

調査の結果、「夏バテ予備軍」が少ないのは、太平洋側という事になりそうですね。調査の前から、不調が多いのは日本海側ではないかと予想していたので、日本海側にある富山がトップなのは納得です。太平洋側と比べて日本海側は、季節風の影響により冬の天候が崩れやすく、私の体感ですが気象病で悩む期間が長いと考えています。気象病の症状は、自律神経が乱れている方に出やすいことから、夏バテとの関連性もあるのではないでしょうか。

富山の回答者が、運動習慣がなく、胃腸の不調がトップクラスという事も、自律神経が乱れがちであり、夏バテになりやすい理由と考えられます。岡山と徳島の「夏バテ予備軍」が多いのも気になります。比較的温暖な地域なので、入浴をシャワーで済ますことが多く、冷たい物を取りやすいためだったりするのではと思っています。

 

久手堅先生監修 正しい夏バテの対処法と予防法
「温とオフ」で自律神経を整える 「暑熱順化」の獲得

 

今回の調査の結果、夏バテしやすい生活習慣の方が多くいることが分かりました。そこで「正しい夏バテの対処法と予防法」を気象病専門家の久手堅先生におまとめいただきました。

 

夏バテの対処法 「温とオフ」で自律神経を整える

冷たい食べ物を控え身体を温める(温)

夏バテの対処法として挙がった回答には、身体を冷やす行為が目立ちました。私たちは空調の効いた屋内と外の温度差によって、寒暖差疲労を起こしやすくなっています。現代の夏バテの症状を改善するには、急激な体温調整によって負荷のかかった自律神経の乱れを整えることが肝心です。温かい食べ物や入浴で身体を温め、冷たい飲み物や食べ物、カフェインやアルコールは摂り過ぎないようにしましょう。食欲の低下、胃痛、吐き気、腹部膨満感、吐き気、下痢や便秘気味などがあると、胃腸の状態が安定しません。発酵食品も腸内環境を良い状態にします。ヨーグルトやみそなどの発酵食品を、生活中で取り入れましょう。夏バテの症状で多い、だるさ・全身倦怠感には、内蔵・骨盤内のマッサージをおすすめします。また起床時は、体が脱水傾向にあるので、コップ1杯の水か白湯を飲むようにしましょう。胃腸の動きも整います。

ストレスを回避してリラックス 心も身体も休息(オフ)

心身の回復に休息は不可欠ですが、日本人は休み下手です。今回の調査でも、夏バテのために、ストレス回避やリラックス、仕事などを休むという回答は限られていました。夏の暑さだけに着目してしまいがちですが、自律神経の乱れが夏バテの症状を悪化させています。睡眠不足や、スマホ・PC使用時間の増加、精神的なストレスなど、自律神経を乱す要因は様々です。しっかりと休んで、これらの要因を排除しましょう。

 

夏バテの予防法 「暑熱順化」の獲得

運動習慣や入浴で「暑熱順化」を獲得

2021年に実施した寒暖差疲労の調査でも、今回と同じように半数は運動習慣がありませんでした。エアコンの中で過ごすことが多い現代は、夏の暑さに身体が慣れる「暑熱順化」が獲得しづらい環境にあります。身体に備わっている熱を逃す能力を機能させるためにも、運動によって発汗量や血流量を増加させましょう。ウォーキングであれば30分以上、ジョギングであれば1520分程度を目安に、汗が出る程度の負荷が望ましいです。運動ができない場合は、入浴時に湯船に浸かることで「暑熱順化」を獲得し、夏バテや熱中症予防の効果が期待できます。入浴は、シャワーだけで済ませるのではなく、3840℃の浴槽に首までしっかりと使って、1015分程度。深部体温もあがり、血流も改善し、発汗効果あり、リラックス効果もあります。日頃から夏バテになりやすい方は、特におすすめです。

エアコンの上手な使い方

エアコンは快適な反面、「暑熱順化」を妨げてしまいます。エアコン以外の暑さ対策グッズも取り入れてみましょう。ただし、暑さで不調を感じたら我慢せずにエアコンを使用してください。特に夜間は、質の良い睡眠で身体を休ませるためにも、最低気温が25℃以上の熱帯夜にはエアコンを使うようにしましょう。エアコンの風は、身体から熱を奪いやすいので、直接当たらないようにするのがポイントです。設定温度を下げるのではなく、扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させれば、冷えすぎを防ぎ、節電効果も期待できます。どうしても避けられない職場や外出先のエアコンには、冷えに対応できるよう薄い上着を一枚持つようにすると良いですね。

監修者の紹介

せたがや内科・神経内科クリニック 院長 久手堅 司先生

 

医学博士。著書に「気象病ハンドブック」、監修本に「面白いほどわかる自律神経の新常識」 「自律神経失調症外来」「頭痛外来」「肩こり・首こり外来」など複数の特殊外来を立ち上げ、中でも天候と不調の関係にフォーカスを当てた「気象病・天気病外来」「寒暖差疲労外来」は、テレビ・新聞・雑誌・ウェブなど各種メディアで話題を呼んでいる。

 

 

夏バテチェックリスト 地域別1

チェック項目

地域

割合

汗をかきにくい

北海道

42%

空調の効いた場所にいる時間が長い

東京

74%

冷たい飲み物、食べ物をとることが多い

茨城・静岡

76%

胃腸の不調がある

富山

54%

睡眠が足りていない

滋賀

70%

朝起きた時に調子が何となく悪い

山口

66%

運動する習慣があまりない

富山

80%

生活リズムが不規則である

長崎

48%

入浴はシャワーで済ますことが多い

沖縄

94%

 

調査概要

調査名

熱と暮らし通信 夏バテに関する都道府県調査

調査時期

2023年5月26日~28日

調査方法

インターネット調査

対象者

出身地と居住地が同じ20代~60代男女、都道府県・性年代均等割付 計2,350名

 

調査結果を利用する際は「リンナイ調べ」と明記するか、こちらの画像を掲載してください。

圧倒的な泡の量で、自宅にいながら極上の入浴体験

マイクロバブルバスユニット

マイクロバブルバスユニットは、お湯に微細な気泡を発生させ、白濁の湯を楽しむことができる給湯システムです。マイクロバブルと、ウルトラファインバブルが生み出すダブルの効果で、まるで温泉に入っているようなリラクゼーションと温泉上がりのようなうるおいをもたらします。 https://rinnai.jp/lp/microbubble/

 

入眠環境サポート

マイクロバブル入浴によって、さら湯と比べて、リラックス状態へより早く移行することが期待できます。

心拍変動係数(CV値)の時系列変化の比較*[1]

*[1] 【実験条件】2022年度 慶應義塾大学 満倉 靖恵 教授と(株)電通サイエンスジャム、リンナイ(株)の共同研究 測定:心拍測定器 学会発表:生体情報に基づくマイクロバブル入浴効果の評価(計測自動制御学会ライフエンジニアリング部門シンポジウム2022) 被験者:成人男女12名
心拍変動係数(CV値)は、副交感神経機能の指標と考えられており、自律神経機能の簡易評価に用いられます。



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