秋の気象病対策-台風・寒暖差疲労-



秋の気象病対策-台風・寒暖差疲労-

2024年10月8日 10:18更新
専門外来コラム


秋の気象病対策-台風・寒暖差疲労-

 

近頃では、年を重ねる毎に春夏秋冬が曖昧になり、「今年は異例の○○」といったような現象がしばしば起こるようになりました。2024年は夏がとても厳しく、そして長かったですね。激しい雷雨や多発する台風、寒暖差など秋も気象変化が激しくなっています。あまりに変化が目まぐるしくて体がついていかない方も多いと思います。対策をして少しでも楽に過ごせるように工夫をしていきましょう。

 

2024年の秋の特徴

[台風と秋雨前線]

今年は台風の勢力が強く、そして予測不能な進行速度・方向などが目立ちます。災害級の被害が予測されたり実際に起きていたりするため、従来の台風の対策では都合が変わってきているように思います。台風だけでなく秋雨前線や線状降水帯の発生などの影響もあり、激しい雷雨や異例の降水量に注意しなければいけない日が増えました。このように変化が目まぐるしい天候が続くと、もちろん体調への影響も大きくなります。常に蒸し暑く、晴れたり急に雨が降ったりと変わりやすい気候は、気象病をお持ちの方には厳しい条件です。台風が遠方にあっても頭痛やめまい、倦怠感、微熱、関節痛など、体にどっしりと何かが乗っかっている感じがして思うように過ごせないことがあるかもしれません。

 

[長引いた暑さのダメージ]

何と言っても、今年の夏は猛暑が続き、春から秋まで暑さが長引いています。10月でも30℃を超える日があるのは驚きですね。あまりに過酷な暑さが続いたので、秋が深まる今心配なのは、暑さによるダメージです。夏はどうしても涼しい環境にいたり、冷たいものを食べたりすることが多いと思います。暑さで体力が消耗していることもあり、少しずつ冷えと疲労が溜まっています。そのダメージが一気に降りかかってくるのが秋です。季節の変わり目なので自律神経が乱れやすいタイミングでもあります。特に気をつけたいのが胃腸の不調です。夏の調子で冷たいものを食べたり飲んだりすると、予想以上に胃腸に負担がかかるので注意しましょう。

 

[寒暖差疲労の始まり]

秋が夏と異なる点は、最高気温が上がったとしても、朝晩にはしっかりと最低気温が下がるところです。そこで発生するのが寒暖差です。秋に発生する寒暖差は、朝晩は20℃前後で涼しさを感じ、日中は20℃後半(30℃近くになることも)くらいで少し動けば汗ばむような暑さを感じます。私たちの体はその気温の変化に合わせて体温調節をしなければならず、自律神経が酷使されエネルギーが消耗されやすくなります。寒暖差による影響は体だけでなく肌トラブルなども引き起こします。汗をかいたり冷えて鳥肌がたったりと皮膚も忙しいですよね。紫外線によるダメージも積み重なっているので、皮膚が荒れやすくなったり、かゆみや発赤などが出やすくなったりします。

 

・秋の気象病対策

[あずき紅茶で浮腫み予防]

先日、雑誌の取材で一緒に掲載して頂いたイシハラクリニックの石原新菜院長が紹介されていた“あずき紅茶”は、私も気象病の方にお勧めしたい飲み物です。気象病の症状が出やすい方は、“水毒”といって体に余分な水分が溜まっていてうまく外に排出できない状態になっています。いわゆる浮腫んでいる状態ですね。女性は男性に比べて筋肉量が少なく、ホルモンなどの影響も重なって体に水分が溜まりやすいです。水毒の状態になると浮腫むだけではなく、体が冷えたりだるさ・胃腸の調子の悪さなどを感じるようになります。私は患者さんに対して五苓散という漢方を処方することがよくあるのですが、お家でも簡単に水毒の対策ができるのが”あずき紅茶”です。

あずき紅茶は体に溜まった老廃物や水分を排出するので、血流の改善が期待されます。継続して飲むと、気象病になりにくい体質づくりに役立つでしょう。

 

★あずき紅茶のつくり方

材料

・ゆであずき 大さじ5(100g程度)

・紅茶のティーバッグ 2袋

・熱湯 600ml

 

①   耐熱の容器(水筒など)にゆであずきを入れる

②  熱湯を注いでディーバッグを入れ、2~3分してから取り出し、一晩置く。

出典:雑誌 女性自身2024.9.17号 p49

 

[さまざまな方面から冷え対策を]

  • 湯船につかって入浴

自律神経が乱れている方は体温調節機能が弱くなっている方が多いので、頭は熱がこもってしまってのぼせているのに手足や胃腸が冷えた状態になっていることがあります。温と寒のバランスが大きく乱れてしまうと、自力でリセットするのは中々難しいです。湯船に浸かると血流が良くなり全身が温まるので、熱のバランスが整います。幸運なことに日本にはお風呂の文化がありますよね。海外ではシャワー浴が一般的な国も多く、温泉療法などの入浴に着目した治療法もある程です。入浴には冷えをリセットするだけでなく、自律神経を整える効果やリラックス効果、安眠効果などさまざまなメリットがあるので、不調を持っている方はぜひ毎日実践して頂きたい習慣です。

 

  • 運動

有酸素運動やリズム運動ではメンタルや血流の改善、筋トレをすれば代謝がアップして冷えづらい体づくりになります。そして、先日発売させていただいた書籍「不調がデフォな私たちの背骨リセット」に載っているような背骨を中心とした首・肩・腰・股関節などの骨格のメンテナンスをすれば、不調を改善・予防していくことができます。全てをバランスよく行おうと思うとハードルが高くなってしまうかもしれませんが、最も大切なのは、「とにかくまずは体を動かす習慣をつける」ということです。座りっぱなし、寝込みっぱなしはできるだけ避けたいところです。散歩をする習慣をつけるだけでも違いは大きいです。運動を始めると、じっとして運動不足であることがいかに冷えをもたらすのか体感できると思います。

 

 





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