自律神経と骨格②背骨のゆがみと自律神経の関係



自律神経と骨格②背骨のゆがみと自律神経の関係

2024年7月15日 20:21更新
専門外来コラム


自律神経と骨格②背骨のゆがみと自律神経の関係

 

今回は自律神経と背骨について書いていきます。先日の「自律神経と骨格背骨のつくり」では、背骨の構造や役割についてご紹介しました。せたがや内科の専門外来を受診する患者さんは、骨格のゆがみが大きく、それが要因となって不定愁訴や自律神経失調症などを発症している方が多いです。きっかけは様々ですが、背骨のゆがみが自律神経に悪影響を与えています。背骨のコンディションを整えると、自律神経のキャパシティーが大きくなり、私たちを取り巻くさまざまなストレスに負けない体づくりにもつながります。背骨を使うこと・整えることの重要性を少しずつでも知っていきましょう。

 

  • 背骨は自律神経の通り道

まずは自律神経がある場所について考えてみましょう。神経というのは、全身を網目のように張り巡らされており、さまざまな情報を伝達しているネットワークのようなものです。その中でも自律神経は、脳と脊髄から始まり、各臓器や器官に分布しています。呼吸や心拍、血圧、消化・排泄、汗や涙の調節などさまざまな生命活動に関わっています。

 

次に背骨のある場所について考えてみましょう。背骨は、正式には脊椎と呼ばれていて、頭の付け根(首)から始まり、お尻の割れ目のあたりまで縦に伸びています。先ほど「自律神経は脳と脊髄から始まっている」と言いましたが、実は、脊髄は背骨の中の脊柱管という場所の中に通っており、背骨が脊髄を保護しているのです。つまり、「背骨=自律神経の通り道」とも考えられますね。

 

神経は基本的に、情報を伝えるためにまっすぐ進んで行きます。しかし、背骨が歪んでいると自律神経の伝達ルートが妨げられ、神経がうまく機能しなくなってしまいます。神経が圧迫されないように背骨の歪みを減らし、動きを良くすることが大切です。

 

  • そもそも人間の骨格はゆがみやすい

人間の身体の構造を考えると、背骨はそもそもゆがみやすくできています。人間は2足歩行なので、とても不安定です。私たちは常に重力を感じながら生きていますよね。4~5kgある重い頭を細い首が支えており、内臓が重力に逆らって体の中に収まっていられるように、背骨やその他の骨格・筋肉が頑張ってつなぎとめています。また、背骨には鎖骨や肩甲骨がくっついており、両腕も支えています。さらには、身体の複雑な動きに対応できるように、背骨を中心として、体全体のバランスが取れるようにできています。私たちの身体の機能の高さと、背骨にかかる負担は計り知れませんね。

 

背骨は骨格の要です。そのため、背骨がゆがむと全身が歪んできます。勉強や仕事などでうつむき姿勢を続けていると、重い頭を支えている首はどうしてもエラーが出やすく、首がまっすぐになって頭が前に出ている状態(フォワ―ドヘッド)ができあがります。骨格は1部分にエラーが発生すると、バランスを取るために他の部分でカバーするものです。そのため、どんどん背骨が歪んで姿勢も悪くなっていき、それが癖になっていきます。

 

  • 背骨がゆがむ原因は?

背骨が歪む要因はたくさんあります。私たちは年齢を重ねるにつれて、背骨にとって良いとは言えない生活習慣が増えていきます。学校に行き始める年齢の頃からは、座りっぱなしやうつむきの姿勢が増えますし、大人になれば運動する機会が減っていく人が多いです。おそらく背骨のケアを習慣にしている人も少ないでしょう。子どもの頃から運動や姿勢の大切さは習ってきていても、背骨の重要性やメンテナンスの方法を知る機会は中々ないですよね。

 

そして、ストレスも背骨がゆがむ一つの要因になります。リラックスした人と、落ち込んで元気がない人の姿勢を比べてみるとわかりやすいと思います。ストレスがかかると交感神経が過剰に優位になり、体の緊張が強くなります。姿勢も悪くなりやすいですし、筋肉の凝り具合も変わってくるので不良姿勢になりやすいです。知らず知らずのうちに、背骨に負担のかかる生活をしていることが多いかもしれません。

 

  • 背骨の歪みが与える自律神経への影響

「ゆがみ」と言われて思い浮かぶ不調のイメージは、姿勢の乱れや腰痛などの痛みではないでしょうか?先ほど言ったように、背骨は自律神経の通り道でもありますよね。そのため、背骨が歪んでいると自律神経に関連した不調も起こります。実際、せたがや内科の自律神経失調症外来を受診する患者さんは背骨のゆがみが目立ちます。

人間の体には、筋系・神経系・骨格系がつながって動くことのできるシステムが備わっています。このシステムがあることで、頭で思い描いた運動が、実際に動作としてスムーズにできるようになります。脳や神経が指令を出し、実際に体を動かすのが筋肉、軸となって体を支えバランスをとるのが骨格です。

 

背骨にゆがみができると、骨格全体にもゆがみが発生します。肩の高さに左右差がでたり、骨盤が前傾・後傾したりします。すると筋肉-骨格-神経のバランスが崩れてしまい、思うように体が機能しません。倦怠感や頭痛、めまい、胃腸の不調、首肩こり、息苦しさなど、さまざまな不調につながっていきます。骨格が乱れると胸郭の動きが制限されるので、ほぼ確実に呼吸のしづらさが出ます。呼吸が浅くなると副交感神経優位になりにくく、リラックスしたり深く眠ったりするのが難しくなります。このように、骨格と自律神経は影響し合っているのですね。

 





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