気象病とアロマ



気象病とアロマ

2023年1月19日 22:29更新
専門外来コラム


⑪気象病とアロマ

 

今回は気象病とアロマのお話です。

気象病や自律神経の不調にアロマが効果的なのはご存じでしょうか?

気象病は、気圧や気温・湿度などの変化によりさまざまな不調を引き起こします。気象変化が大きいと、それに合わせるように自律神経も乱れ、心身ともに調子が上がりづらいです。頭痛やめまい・倦怠感などの症状に加えて、気分が上がらずに寝込んでしまう方も少なくありません。

 

対処法や予防法はたくさんありますが、アロマは手軽に取り入れられるセルフケア方法の一つです。アロマには、体のバランスを回復させて心身をリフレッシュ・リラックスする効果があります。自律神経系・ホルモン系・免疫系を全体的に整えてくれるため、日々の健康維持や、生活を豊かにするアイテムとして、知っておくと良いですね。

 

・アロマオイルの持つ力

現代医学との違い

現代医学による投薬治療は、病気の治療には無くてはならないものですよね。しかし、薬というのは人工的で、作用が単一的です。一つの標的に対して集中的にはたらく強さがあるため、効果は大きいのですが、「必要な時に必要な分だけ」という使い方が理想です。

 

一方で、アロマは天然由来です。自然のものであるため、体にも容易に代謝・吸収されますが、それゆえ体内に残る時間も短いです。薬のような劇的な効果は見込めないかもしれませんが、薬よりも多様な成分が含まれているため、作用が全体的です。そのため、アロマは自律神経やホルモン・免疫系をバランスよく整えるのに適しており、日々の生活に継続的に取り入れることができます。

 

≪香りによる情報伝達≫

薬にはないアロマ特有の作用が、「香り」です。香りの情報は、嗅神経を通じて、自律神経をつかさどる視床下部・大脳辺縁系に伝わります。香りそのものによって、自律神経に関わる部分に作用し、ホメオスタシスを高めることができます。その結果、自然治癒力が上がります。

 

また、香りには、心に作用して記憶に残す力もあります。心と体はつながっているため、気象病で自律神経が乱れていると、どちらの調子も悪い方向へ向かいやすいです。そこで、心と体のバランスを整え、私たちをリフレッシュ・リラックスに導くのが香りの力です。自分の体調や好みによって精油を変えられるのも、良いポイントだと思います。

 

・アロマオイルと自律神経の関係

アロマの強みは、嗅覚を通して直接脳に作用する点です。アロマオイルの香りは、鼻から、

鼻の奥の鼻粘膜という場所を通過し、脳にたどり着きます。脳の中では、大脳辺縁系→偏桃体→視床下部の順に香りの情報が伝わり、自律神経系や内分泌系(ホルモン)、免疫系にはたらきかけます。

 

自律神経はストレスの影響を多く受けています。ストレスというのは、精神的なストレスから始まり、不規則な生活習慣や肉体的な疲労、環境条件など幅広く存在しています。気圧変化や寒暖差などの気象変化も立派なストレスの一つですよね。

自律神経は、脳の視床下部という場所が司令塔になり、心身のバランスを保っています。そのため、アロマの香りを通じて直接脳に情報が届くと、自律神経のコンディションを整え体と心の調子を改善することにつながります。

 

アロマは香りを鼻から楽しむ印象がありますが、一方で、皮膚に付けて吸収することもできます。皮膚に精油を塗る場合、精油の成分は直接皮膚から血流へ行き、同時に鼻から血流へ行き、体内に取り込まれます。また、「触れる」という行為は自律神経に良いため、ゆっくりと優しいタッチングをすることで、愛情ホルモンであるオキシトシンの分泌を促し、心と体が安心します。安心は、心身をつかさどっている自律神経にはとても大切な要素です。

 

・気象病に効果的なアロマブレンド

 

日本アロマ協会(AEAJ)によって考案された、「気候別のアロマブレンド」というものがあります。今回は、雨の日用のブレンドをご紹介します。

 

雨の日は副交感神経が優位になり、心身が休息モードになるため、体がだるくなったり元気が出ない傾向にあります。そこで、交感神経を優位にし、やる気をアップさせてくれる効果のあるオイルを選ぶと良いでしょう。

 

雨の日ブレンド:グレープフルーツ+スイートマジョラム

グレープフルーツ:

グレープフルーツには、交感神経に働きかけて血流の増加や気分を向上させる作用があるため、作業の効率が上がるでしょう。心に軽やかさをもたらし、リラックスというよりはリフレッシュしたい時に推奨されます。

 

スイートマジョラム:

スイートマジョラムは消化器をサポートするハーブで、昔からよく料理に使用されてきました。肉体的にも精神的にも温める作用があり、肉体的には冷えやむくみ、肩こり、消化器症状を改善し、精神的には緊張を緩和して孤独や悲しみを癒すと言われています。

 

・初心者の方はラベンダーから

ラベンダーは、リラックスの代表と言われており、万能でスタンダードな精油です。「アロマに慣れていなくてどの精油を選んで良いかわからない」という方にお勧めしています。ラベンダーは心身をバランスの取れた状態にするため、日常使いや、眠れない夜などに使うと良いでしょう。

 

・その他気象病・首肩こりに効果的な精油

バジル:疲れや痛みに効果があります。気象病による片頭痛・消化器の不調などがあるとき、自律神経の調整作用により心身をリフレッシュさせてくれます。

 

レモン:血流が良くなり、心身に爽快感をもたらしたり、集中力があがったりします。気象病や首肩こりなどで気力も体力も滞ってしまう時に、すっきりできる精油です。

 

イランイラン:バランス力が一番と言われている精油です。神経を落ち着かせて緊張や不安を軽減します。ストレスが溜まっていると感じる方は試してみると良いかもしれません。

 

参考文献

川口三枝子.「すぐ使えるアロマの化学 自律神経系 ホルモン系 免疫系の不調を改善!」BABジャパン.2020

 





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