新書籍「背骨リセット」予約開始しました
2024年9月10日 19:32更新
専門外来コラム
新書籍「背骨リセット」予約開始しました
実は昨年末くらいから進めていた書籍のお仕事がありました。最近形になってきており、情報が公開となったのでここでもお知らせいたします。今回のタイトルは「背骨リセット」です。
私は主に自律神経、気象病に関する書籍の執筆や監修をさせていただく機会が多いので、一見今までの著書と関係ないようなタイトルですが、今までご紹介したメソッド編をより詳細に、メインとして凝縮させた内容となっています。マンガやイラストも豊富なので、今までとテイストが異なり読んでいて楽しい本かもしれません。今回はじめて実現できたのが、今までに何度かご紹介させて頂いている賀来大樹さんとの共著です。「気象病ハンドブック」の後半にある実践編の監修をさせて頂いたり、せたがや内科の自律神経失調症専門外来や首肩こり、気象病専門外来などの患者さんを治療するうえでご協力頂いたりしているトレーナーさんです。賀来さんが提案してくださったメソッドがこれまで以上に詰まっているので、実践編の本としてとても内容が充実していると思います。
・背骨リセットとは?
「背骨リセット」と言われて、みなさんは何を想像されるでしょうか?おそらくですが、普段の生活の中で背骨を意識して過ごされている人は少ないと思います。もしかしたらスポーツ歴が長い方でも馴染みのない概念かもしれません。「背骨リセット」というのは、背骨を本来の正しい位置に整えることで、首肩こり、頭痛、めまい…などの不調を根本から治していこう、という意図が込められています。不調を治したいと思ったとき、「まずは病院で薬をもらおう」と考えるのが一般的ですよね。しかし、自律神経の乱れによる不調やその他の不定愁訴(何となく調子が悪いけれど、検査しても異常が見つからない不調のことです)は薬のみで治るケースが少なく、むしろ骨格を整えることで不調が改善することがあります。これが背骨リセットです。実は背骨は、自律神経の通り道に当たります。背骨が歪んでいると自律神経にも影響がいきますし、骨格全体が歪んで姿勢も悪くなるので、さまざまな不調の引き金になります。
せたがや内科に来る不調の患者さんは、レントゲンを撮ると背骨のゆがみが目立ちます。私たちの骨格は、誰しも多少は歪みが生じているものですが、度を越えてしまうと原因不明の不調を引き起こすこともあります。そこで背骨リセットの登場です。呼吸法やストレッチ、エクササイズなどにより背骨のズレ(骨格のゆがみ)を改善していきます。筋肉の緊張が強いところは緩めて、うまく使えていないところは強化。背骨を整えながら全体の動きを良くしていきます。すると、体調が改善していきます。背骨のゆがみが完全に治らなくても、その過程で不調が治っていくのが不思議なところです。
・評価を重視して一人ひとりに合った運動プログラムを
本来であれば運動は、一人ひとりの体に合ったものでなければ効果が薄れてしまいます。一般的に良いとされている運動やストレッチでも、厳密に言ってしまえば、万人に有効という訳ではないのが現実です。そこで大切なのが評価です。この本でも、序盤に評価のページを設けています。骨格の状態をまずチェックすることで、その人に合ったエクササイズを行うことができるように工夫をしました。不調がある方はすぐに何とかしたい気持ちが大きいと思いますので、すぐに実践編のページが気になるかもしれません。しかし、不調がある方こそ評価を丁寧に行うことをお勧めします。
・首をリセットするのに首だけを動かすわけではない?
この本では、パーソナルトレーナーの賀来大樹さんにプログラムを組んで頂いています。
以下は、内容の打ち合わせをしている時のあるエピソードです。
首のエクササイズのプログラムを組んでいる最中、第一項目が首ではなく腸腰筋という筋肉のアプローチでした。すかさず他の制作スタッフの方から「首が悪いのにどうして○○をするのですか?首は動かさないのですか?」と質問がありました。もちろん私も同じようなことを思いましたし、読者の方も同じ疑問を抱かれるのではないかと思いました。
賀来さんからこのような答えが返ってきました。「実は、首がこっているからと言って首が悪いという訳ではないんですよ。首が弱い人は不良姿勢を取り続けていることが多く、その結果、腸腰筋が被害者の一つ(他にもあります)なので、まずは腸腰筋のアプローチをします。」
これを聞いて全員が「へぇー!!」と納得。これは私の中でとても印象的な出来事でした。
このように、骨格や筋肉・運動に関する知識がない方にとっては少し常識が覆ったように思える内容が入っているかもしれません。読者の方にも、読んでいて「へぇー!」となって頂けると嬉しいです。
・基本は呼吸。常に意識しましょう
自律神経を整える上で大切であり、基本となるのは「呼吸」です。呼吸は当たり前すぎて、その重要性が中々伝わりづらいですが、実践して効果を感じられる方にはわかって頂ける要素です。
自律神経は基本的には私たちが意識しなくても自動的に切り替わって機能しているのですが、唯一自力でスイッチングを行うことができるのが呼吸です。息を吐くと副交感神経が優位にはたらき、吸うと交感神経優位にはたらきます。
呼吸はブリージングとも呼ばれています。私が主に勧めているのは胸式呼吸と腹式呼吸です。この本でも呼吸の方法が載っています。実は呼吸は意外と運動量が多く、私たちはあらゆる筋肉が連動して動くことで吸ったり吐いたりしています。しっかりと胸式呼吸や腹式呼吸を行うと、それだけで筋肉痛になることがあるくらいです。ストレッチやエクササイズをしている時に大切にして頂きたいのが、呼吸を止めないことです。呼吸を意識しながらストレッチやエクササイズの動きを実践すると、より正しくできると思います。
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