書籍「気象病ハンドブック」9月発売に向けて
2022年7月16日 19:23更新
専門外来コラム
今年は空梅雨でしたが、猛暑になったり大気が不安定だったりと、体に負担がかかる天気が続いていますね。
一部SNSでは公開いたしましたが、実は今、2022年9月発売に向けて「気象病ハンドブック」という本の執筆に取り組んでいます。
この本は、気象病に悩む方はもちろん、気象の変化でなんとなく調子が上がらない方・雨の日でももっと元気に過ごしたい方など、さまざまな方にとってお役に立つ本となるように力を注いでいるところです。
手に取って頂けたら嬉しいですが、その前に、どんな本なのかだけでも知っていただけたらと思います。そこで、今回は「気象病ハンドブック」のご紹介と製作の裏話などを含めてお話させていただきます。
- 「気象病ハンドブック」が気象病のバイブル本となるように…
「この1冊があれば、気象病のすべてがわかる——」
そんな本を目指して、「気象病ハンドブック」というタイトルを付けました。
現在、完成に近づいてきましたが、まさにタイトル通りのものが出来上がっていると思います。
最近では、「気象病」や「自律神経」という言葉が以前よりも普及してきたと肌で感じています。気象病専門外来を設立して約 6年になりますが、今まで気象病に悩みながら、周囲に理解されないことにも苦しむ患者さんを多く診てきました。気象病はきちんと原因がある不調ですし、原因があれば対策もあります。「気象病がやっと認知されてきた」という気持ちは大きいです。
気象病とは、気象条件の変化(気圧や気温・湿度など)によって起こる心身の不調のことを言
います。最近では気圧を予測するアプリや気圧予報などが多く見られるようになりました。それだけニーズがあるということですね。気象病に特徴的な症状は頭痛や倦怠感・めまいなどですが、症状は本当に人それぞれです。
オンライン診察も一般的になり、気象病専門外来も全国から患者さんが診察にいらっしゃいます。しかし、私の診察時間にも限界がありお伝えしきれないことも多くあります。また、「病院に行くのは気が引けるけれど、気象の変化で何となく不調がある」という方などにも気象病との付き合い方やセルフケアをお伝えすることで、多くの方々が天気に左右されることなく元気に過ごせるように、本を書きたいと思いました。
- 気象病のすべてが詰まっています
私が大切にしているのは、「健康をトータルで考える」ということです。
気象病や自律神経の不調を診察するのに骨格のゆがみに注目してはいますが、人間は他にもさまざまな側面を持っていますよね。身体・心・社会のバランスが整ってこそベストな状態でいられると思います。不調がさまざまであるように、食事や睡眠、運動、メンタル、人との繋がり、社会生活など、その人に必要なアプローチもさまざまです。気象病は気象変化による不調ですが、セルフケアで多方面から補っていくことで症状は改善に向かいますし、うまく付き合っていけるものです。
本書では、私の長年の臨床経験をもとに、気象病の正体・治療・対策まですべてをお伝えし
ています。
- どこから読んでも役立つ本
本書の構成は、前半が知識編、後半が実践編という構成です。
前半は気象病を知るための基本的な知識や、気象病と関係の深い自律神経についてご紹介しています。診察中のような質問形式になっているので、知りたい部分だけを選んで読むことができます。
後半は、生活の中でできる具体的なセルフケアや、骨格のメンテナンス方法(主に運動療法)についてです。気象病と深く関係している自律神経ですが、その自律神経を整えるための要となるのが、「骨格」です。
パーソナルトレーナーさんにもご協力頂き、より専門的で、他の本にはないセルフケアの内容が詰まっています。
- 初公開のセルフケアが充実しています
「気象病ハンドブック」の大きな注目ポイントの一つが、いつもお世話になっているトレーナーさんにセルフケア監修をして頂いたことです。何度も言っていますが、私が専門外来で行っている治療で特徴的なのは、パーソナルトレーナーとの協働治療です。
気象病は自律神経の脆弱さや乱れが大きく影響しています。自律神経を乱したり、不調の引き金となるのが骨格のゆがみです。たとえば、ストレートネックや反り腰、側弯などがありますが、これらのような骨格の歪みがあると首肩こり・頭痛・めまいなど不定愁訴が起きやすくなります。
私は、気象病や自律神経の患者さんの症状を診ていますが、ストレッチなどのセルフケア指導はできても、骨格そのものを治すことは難しいです。
そこで、筋肉・骨格・運動のプロであるパーソナルトレーナーさんの力をお借りして、気象病の方々の治療を行っています。(パーソナルトレーナーによる運動療法や骨格の調整の介入が無くても、投薬や簡単なセルフケアで良くなる患者さんも多くいらっしゃいます)
そのトレーナーさんに監修いただき、一緒に本を作ったことで、今まで公開してこなかった具体的なセルフケアが充実しています。個人的には、トレーナーさんのお名前もやっと公開できることがうれしいです。
気象病専門外来の医師として…
この本は私にとって、ターニングポイントとなる一作です。
昨今、気象病が注目され始めていますが、気象病に関する知識とセルフケアがここまで具体的に書かれているものはまだ無いのではないかと思っています。
また、医師とパーソナルトレーナーが協働して製作できるのは、現段階の日本ではとても珍しいことです。医療と健康、両者の専門家によるセルフケアなので、気象病に苦しむ方、不調なのに気象病であることにまだ気づいていない方など、さまざまな方のお役に立ってほしいと願っています。
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