ビタミンD欠乏について



ビタミンD欠乏について

2026年2月15日 15:56更新
専門外来コラム


冬に増える「なんとなく不調」の正体
〜ビタミンD欠乏と頭痛・気分低下・低血圧の関係〜

最近こんな症状はありませんか?

・なんとなくずっとだるい、倦怠感が続く
・やる気が出ない
・気分が落ち込みやすい
・頭が重い、頭痛が増えた
・立ちくらみがある
・朝なかなか起きられない

・午前中は調子が悪い
・筋肉が重い感じがする
・風邪をひきやすい
・どれだけ寝てもスッキリしない

「疲れているだけなのかな」
「気のせいかも」
「メンタルが弱っているのかな」

「自律神経が乱れているのか」
「慢性疲労なのかな?」
「何かのストレスなのかな」
そう思ってやり過ごしている人は少なくありません。

でも、その不調の背景に

“ビタミンD欠乏” が隠れている可能性があります。
ビタミンDとは何をする栄養素?
ビタミンDは単なる「骨のビタミン」ではありません。

主な働きは、
・カルシウム吸収を助け、骨を強くする
・免疫を整える
・筋肉の働きを支える
・神経の炎症やホルモン調整に関与する
・自律神経や血圧調整にも関わる

特に重要なのが、
日光(紫外線)を浴びることで体内で作られるという点です。
つまり、日照時間が短い冬や、外出が少ない生活では不足しやすいのです。

冬に増える理由:
寒冷地や冬場では、
・日照時間が短い
・外に出ない
・厚着で肌が露出しない
・在宅時間が増える
これらが重なり、ビタミンDが十分に作られません。

そうなると、冬にしか欠乏しないのではと思われがちです。ただ、最近では日焼け止めの性能があがったこと、日焼けを避けることが多くなったことからも、冬以外にもビタミンD欠乏は起こりやすくなっています。
不足すると出やすい症状について
① 倦怠感・だるさ(気象病・天気病外来、寒暖差疲労外来、自律神経失調症外来でも、1か2番目に多い症状です)

最も多いのが「なんとなく続くだるさ」です。風邪ではないのに、数週間続く疲労感。
階段がつらい、体が重い。でも熱はない。

これらが特徴です。

② 気分低下・やる気の低下
ビタミンDはセロトニン調整に関与します。
不足すると
・気分が沈みやすい
・やる気が出ない
・ぼーっとする
といった状態になりやすいのです。
冬季うつ(冬季気分障害)との関連も指摘されています。

③ 頭痛
意外に知られていませんが、ビタミンD不足と頭痛の関連も報告されています。

鉄欠乏性貧血や隠れ貧血、亜鉛欠乏症が頭痛に関係していることは、知られるようになりました。受診時に、採血結果を持参される場合には、鉄や亜鉛は測定していることが多いです。ビタミンDの採血結果を、持ってこられることは少ないです。

・慢性的な鈍い頭痛
・締め付けられる感じ
・片頭痛の頻度増加

・頭重感がある
・鎮痛薬があまり効かない

ビタミンDは神経炎症や血管反応の調整にも関わっているため、不足すると頭痛が起こりやすくなると考えられています。月に5回以上頭痛がある場合は、「もしかしたらビタミンDが足りてない」?と思ってみても良いでしょう。

④ 低血圧・立ちくらみ
あまり注目されませんが、ビタミンDは血管や自律神経の調整にも関与しています。

不足すると
・朝起きられない
・立ちくらみがする
・ふらっとする
・脈が弱く感じる
・血圧がいつもより低い
といった症状が出ることがあります。(自律神経失調症との鑑別が難しい、もしくは自律神経失調症の場合に低血圧があることも多い。)

特に若い女性はもともと低血圧傾向の方が多いです。(低血圧でも無症状なら、特に問題はないです。)

一般的には、寒くなると、血圧が上がることが多いのですが、低血圧の場合はそうでもありません。
冬場にさらに悪化して
「やる気が出ない」
「動き出せない」
という状態に見えてしまうことがあります。

しかしそれは怠けではなく、
体の循環が落ちているサインかもしれません。

⑤ 筋肉・骨の違和感
・太ももやふくらはぎの重さ
・背中や腰の鈍痛
・押すと痛い部位がある
重度になると骨軟化症へ進行することもあります。

⑥ 免疫低下
・風邪をひきやすい
・治りが遅い

免疫細胞にもビタミンD受容体が存在するため、
不足は感染リスク上昇と関連します。

「怠け」ではない

重要なのはここです。

ビタミンD不足や低血圧による不調は、
気合いではどうにもなりません。

「甘えている」
「根性が足りない」

ではなく、
生理的に起きている変化なのです。

どう判断するのか?
血液検査で「25(OH)ビタミンD3濃度」を測定します。
30ng/mL以上:理想値は40~80ng/mL
20〜30:不足傾向
20未満:欠乏

また、血圧も参考になります。
・収縮期血圧が90㎜Hg前後
・立ち上がるとふらつく

こういった場合は、循環状態も合わせて確認するとよいでしょう。

対策
・日光を10〜20分浴びる(顔と手)
・サプリメント(一般的に1000〜2000IU/日)
・サーモン、卵、干し椎茸などの摂取
・朝は急に立ち上がらず、ゆっくり体を起こす
・水分をしっかり摂る
※高用量摂取は医師の指示のもとで。

最後に
もしあなたや大切な家族が

・数週間続くだるさ
・頭痛
・気分の落ち込み
・立ちくらみや低血圧
・原因不明の不調
を感じているなら、ビタミンDという選択肢を思い出してください。

冬の不調は、心の弱さではありません。体からの静かなサインかもしれません。





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