起立性調節障害と気象病の関係について
2017年10月24日 10:23更新
専門外来コラム
久しぶりの晴天ですね。
今日10/24火曜は天気が良く高気圧となっています。気象病の方は、今日は一安心かと。
しかし、明日は、また雨予報です。ご注意を。
起立性調節障害と気象病について話しをしたいと思います。
起立性調節障害 (Orthostatic Dysregulation:以下OD)とは以下の診断基準を満たします。
ODの症状
- めまい、立ちくらみが起きやすい
- 起立時の気分不快、意識消失が起きやすい
- 座位や立位での動悸や息切れが起きやすい
- 起床できず、午前中は調子が悪いが起きやすい
- 顔面の血色不良が起きやすい
- 入浴やストレスで体調不良が起きやすい
- 食欲不振、吐き気が起きやすい
- 腹痛、下痢が起きやすい
- 倦怠感が起きやすい
- 頭痛が起きやすい
- バス酔い、電車酔いなど乗り物酔いをしやすい
これら11項目のうち3つ以上に当てはまり、下記のサブタイプのいずれかに一致することで診断されます。
ODサブタイプ
- 起立直後性低血圧:起立直後に強い血圧低下があり、立ちくらみを訴えます。
- 体位性頻脈症候群:起立後の血圧低下はありませんが、頻脈、めまい、ふらつき、頭痛、呼吸苦などを訴えます
- 神経調節性失神:起立中に収縮期血圧、拡張期血圧ともに低下して、失神となります。貧血症状と似ています。
- 遷延性起立性低血圧:起立後数分経ってから血圧が徐々に下がってきます。
気象病の方で、布団から起き上がれない、朝の全身倦怠感が強いという方がいます。
起床時には、通常は交感神経が優位となって、問題無く起き上がれます。しかし、ODや気象病の方は、起床時に副交感神経が優位となっています。
そのため、OD+気象病の方が多いのが実際です。両疾患とも自律神経が乱れていることが原因となっているため、オーバーラップしていると考えます。
OD+気象病の方は、より症状が重い傾向があります。そのため、不登校や出勤困難が続いて、日常生活に支障をきたす場合が多いです。
ODは成長期により頻度が高くなりますが、デスクワーク+スマホの時間が長い女性の方にも多く見られています。
当院では、体位性頻脈症候群の方が多いです。
ODと診断され、治療を受けていてもあまり改善していない方は、気象病の治療を行うことで良い結果が見られています。
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