寒暖差疲労の基本知識



寒暖差疲労の基本知識

2024年2月25日 23:01更新
専門外来コラム


≪寒暖差疲労の基本知識≫

 

最近は寒暖差が大きく、春めいてきたり極寒になったりと、季節がわからないような気候が続いておりますね。今年度は特に、年間を通して寒暖差が大きくなることが多かったと思います。ここ2~3年では「気象病」や「低気圧不調」などの気圧変動による体調不良が注目されるようになりましたが、少し遅れて「寒暖差疲労」というワードも広まりつつあると感じています。寒暖差による不調は今まではあまり知られていませんでした。しかし最近では取材を受ける回数も増え、少しずつ認知されてきているのではと思っています。

今回は寒暖差疲労の基本的な知識について書いていきます。

 

  • 寒暖差疲労とは?

寒暖差疲労とは、気温の変化が原因で生じるさまざまな不調を言います。寒暖差というのは、1日のうちの最高気温・最低気温の差、前日との気温差、1週間単位での気温差、室内外(冷房の効きすぎた部屋やお風呂場など)での気温差などが当てはまります。目安ではありますが、1日の気温差が7℃以上になると不調が出やすいです。

 

寒暖差は私たちの体にとって大きなストレスであり、自律神経にも負担がかかります。そのため、体が寒暖差に適応しようとエネルギーを消耗、疲労が蓄積し、疲労感・倦怠感などを中心とした不調が出ます。寒暖差疲労以外にも、寒暖差アレルギーと言い、鼻水・くしゃみなどのアレルギー症状が出るものもあります。

 

  • どんな症状?

気温差が大きくなると、自律神経が乱れます。寒暖差疲労の症状は、疲労感・倦怠感・だるさ、首肩こり、冷え、皮膚のかゆみ、めまい、気分の落ち込みなど様々あります。人によって出やすい症状が変わってくるので、寒暖差が原因であることに気づきにくいのも特徴です。

 

外気の激しい気温差により、体内の温度調整がうまくいかなくなっている状態なので、「顔は火照っているのに手足やお腹が冷えてしまっている」といったような現象が起きやすいです。冷えは万病の元というように、体が冷えてしまうと他の不定愁訴も連動して起こりやすくなります。不調が連鎖してしまうと辛いですよね。

 

寒暖差疲労と類似して、寒暖差アレルギーというものもあります。寒暖差アレルギーの症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、咳などです。この時期だと花粉症と間違われてしまうことも多いですが、花粉症とは違って目の症状(目のかゆみや充血など)が出にくいです。正式名称は血管運動性鼻炎と言います。

 

  • 気をつけたい季節とシチュエーション

寒暖差が大きくなり、不調を感じやすいのは春・秋です。しかし最近では「季節外れの○○」という天候ばかりなので、1年中気にかけておいた方が良いかもしれませんね。

寒暖差の影響を受ける気温差の目安は7℃以上です。特に、暖かさ・寒さの両方を体感するような気温差が生じると、より寒暖差の影響を受けやすいと思います。どういうことかと言うと、同じ8℃差の日があった時、「8℃(最高気温)と0℃(最低気温)の日」・「20℃(最高気温)と12℃(最低気温)の日」では、後者の方が寒暖差を感じやすいということです。服装を変えなければいけないほどの差があるときは、寒暖差が大きいと考えた方が良いでしょう。

 

  • 対策

①規則正しい生活

自律神経にとって、不規則な生活ほどダメージが大きいものはありません。自律神経の乱れで体を壊してしまう方は、交代制勤務のお仕事、働きすぎ、運動不足などが多いです。自律神経に負担のかかる生活をしていると、その分寒暖差による負荷にも弱くなってしまいます。基本的なことなのですが、規則正しい生活は丈夫な自律神経でいるためにはとても大切な習慣です。朝起きて日光を浴び、日中は適度に動き、夜になったら寝る、そして栄養バランスの良い食事を腹8分目、ストレスを溜めすぎず十分な休息を取る、といったように基本を意識してみましょう。

 

②脳腸相関

脳と腸が互いに影響し合っていることを、「脳腸相関」と言います。免疫系、内分泌系、神経系を介して、脳と腸はさまざまな情報交換を行っています。

腸の調子が良いと、その情報が脳に届くので、身体や心の調子も良くなるという訳です。腸が健康でいられれば、お腹の調子が良いだけでなく、自律神経をはじめ、心身のバランスも整っていきます。

ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品などを取り入れる習慣がつくと、お腹も心も喜んでくれます。  

即効性はないですが、続けていくと効果が出てきやすくなります。

 

③体温調節のできる服装

寒暖差が大きいと、朝晩と日中では適切な服装が変わってきます。無理して同じ服装でいると、昼間にのぼせて具合が悪くなったり、朝晩の冷え込みで体を冷やしてしまったりすることになります。寒暖差の大きいシーズンは、簡単に脱ぎ着できる服装を選ぶことを優先しましょう。また、汗を吸いやすい生地の服にすると、尚のこと快適に過ごせると思います。最近の天気予報では、気温に合ったおすすめの服装などが紹介されていますよね。何を着ようか迷った時は天気予報を参考にしてみてください。

 

④入浴で首まで浸かる

私は、寒暖差疲労の対策として入浴を推奨しています。入浴は日本人にとっては身近で当たり前のような習慣ですが、入浴にはさまざまな健康効果があります。寒暖差疲労では、体が冷えたりのぼせたりすることで、体内の熱の分布がおかしくなってしまっています。そこでお風呂にゆっくり浸かると、冷えて滞った血流が良くなり、全身が温まります。1日の冷えがリセットされているようなイメージです。

 

毎日シャワーで済ませてしまう人と、夜にお風呂に浸かってからぐっすり眠る人とでは、自律神経や冷えの面でも健康効果に大きな差が出ます。そして、「首まで浸かる」というのもポイントです。首には重要な神経がたくさん通っているので、自律神経を整えるのに大切な部分です。首を温めることでさらにリラックスができ、首肩こりも楽になります。

 

⑤首のストレッチ

最後に首のストレッチです。私たちの日常生活は基本的に下を向いている時間が長く、首に大きな負担がかかっています。そのため、日頃から首のストレッチを行ってケアをしてあげることが大切です。

※まずは長めのフェイスタオルを用意しましょう。

 

≪1≫両手でタオルを横に長く持つ。

 

≪2≫顔は正面を向いて、タオルの中心が首の付け根あたりに引っかかるように、ポジショニング。

 

≪3≫顔をやや上方向に向けて、タオルを持った両手は上向きに軽くテンションをかける。気持良いと思う程度の力で大丈夫です。このまま10秒キープ。呼吸は止めないこと。

 

≪4≫今度は下を向いて、タオルを持った手もやや下向きに力を入れる。こちらも強く引っ張り過ぎないこと。これも10秒キープ。

 

≪1≫~≪4≫を2・3セットほどできると良いと思います。

首は繊細な場所なので、くれぐれも力の入れすぎにはご注意ください。タオル1本で簡単にできるのでぜひやってみましょう。





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