気象病について
2026年6月25日 20:54更新
専門外来コラム
「雨の日になると体調が悪い…」それは気象病かもしれません
「雨が降る前になると頭が痛い」
「台風が近づくと体がだるい」
「家族には理解されないけれど、自分だけ天気が分かる」
このような経験はありませんか?
実はこのような症状は『気象病・天気病』などと呼ばれ、多くの方が悩んでいます。最近ではテレビや新聞でも取り上げられることが増え、注目されている症状です。当院では2016年9月から気象病・天気病外来を開設しています。
今回は気象病について解説します。
気象病とは?
気象病とは、気圧・湿度・気温などの天候変化によって体調が悪化する状態の総称です。
正式な病名ではありません。
曇りの日、 雨の日、台風発生、台風接近、梅雨、季節の変わり目
などで症状が出やすくなります。
気象病セルフチェック(いつも伝えているチェックリストとは少し異なるバージョンです)
次の項目に当てはまるものはありますか?
①雨が降る前に頭痛が起こる、天気が悪くなる前に体調で分かる
②台風前になると体が重い
③曇りの日はやる気が出ない
④首や肩がいつもより凝る
⑤めまいが起きる
⑥関節が痛くなる
⑦古傷が痛む
⑧「今日は雨が降る」と身体が教えてくれる
⑨天気が崩れると、気持ちが沈んだり、不安になったりする。
⑩血圧が低く、立ちあがる時に不調が出やすい。
2つ以上該当する方は、気象病の可能性があります。
こんな症状はありませんか?気象病では実に様々な症状が現れます。
代表的な症状は
・片頭痛
・緊張型頭痛
頭痛は8割前後の方が訴えます。
・全身の倦怠感、だるさ
これは7割前後の方が訴えます。
・首こり/肩こり
・めまい
・動悸
・血圧が上下する(下がる場合が多い)
・関節痛
・古傷の痛み
・耳鳴り、耳がこもる
・吐き気
・不眠、過眠などの睡眠の乱れ
・集中力低下
・胃腸の不調(胃痛、腹痛、便秘、下痢、食欲不振)
・鼻炎、アレルギー症状
・気管支喘息、咳喘息
・不安
・うつ症状
・感情の起伏が強くなる
など様々です。
症状の出かたは、人それぞれです。
なぜ天気で体調が悪くなるの?
最も関係していると考えられているのが気圧の変化です。(気温差、湿度の話は、今回はなしです)耳の奥には身体のバランスを感じる「内耳」という器官があります。この内耳は非常に気圧の変化に敏感です。
気圧が変化すると内耳が刺激され、自律神経が乱れやすくなります。
すると
・血管が拡張する
・血流が変化する
・筋肉が緊張する
・痛みを感じやすくなる
などが起こり、さまざまな症状が出現します。
「私は天気予報より当たる」は本当?
診察する際に、よく聞く言葉があります。
「私、天気予報より先に分かるんです。」
実はこれは珍しいことではありません。
気圧は雨が降る何時間も前から下がり始めています。
そのため、身体が先に反応している可能性があります。
「今日は頭が痛い」
と思っていたら、数時間後に雨が降るということも少なくありません。
気象病になりやすい人
次のような方は気象病になりやすい傾向があります。
・女性(当院では7~8割が女性です)
・片頭痛がある
・自律神経が乱れやすい
・睡眠不足
・ストレスが多い
・デスクワーク中心
・スマホやタブレット、パソコンの使用時間が長い(1日4時間以上)
・首や肩がこりやすい
・めまいを起こしやすい
予防法
気象病を完全に防ぐことは難しいですが、症状を軽くすることはできます。
①規則正しい生活:睡眠不足は自律神経を乱します。毎日同じ時間に寝起きすることが大切です。
②首・肩をほぐす:首や肩の筋肉が硬いと症状が悪化しやすくなります。ストレッチや入浴がおすすめです。耳のマッサージも有効です。
③軽い運動:ウォーキングなどの有酸素運動は自律神経を整えます。筋トレも有効です。好きな運動をすることがポイントです。
④姿勢に気を付ける。
⑤呼吸を整える。
⑥水分補給:脱水になると頭痛も悪化します。こまめな水分補給を心掛けましょう。
⑦天気予報を確認する:最近では気圧変化を知らせるアプリもあります。症状が出そうな日を事前に知ることで、予定を調整したり、早めに休息を取ったりできます。
⑧入浴で、体を温める。
⑨食事に気を付ける。栄養をしっかり取る。発酵食品(ヨーグルトや味噌、納豆など)や食物繊維を取り入れて、胃腸を整える。
⑩仕事や勉強は、ある程度の時間で切り上げる。
病院では何をするの?
気象病だけを調べる検査はありません。当院では、専用外来のチェックリストと問診票を使用します。
症状や生活習慣を詳しく伺い、時間をかけて診察をします。
必要に応じて検査を行います。院内では、レントゲン、心電図、採血などを行う場合もあります。
頭部MRI撮影や耳鼻科受診、循環器内科受診、婦人科受診をして頂く場合もあります。
症状によっては投薬治療を行います。
・漢方薬が第一選択となる場合が多いです。10年以上使用している中で、1種類もしくは2種類の漢方薬で症状の軽減が見られやすいです。
頭痛薬、抗めまい薬、その他を薬をなどを組み合わせます。なるべく、薬の種類は増やさないようにしています。
放置してはいけない症状
次のような症状がある場合は、気象病だけとは限りません。
・今までで一番ひどい頭痛
・手足のしびれ
・ろれつが回らない
・胸の痛み
・意識障害
・激しいめまい
・高熱
このような場合は、早めに医療機関を受診してください。
まとめ
気象病は「気のせい」ではありません。
気圧や天候の変化によって、自律神経が影響を受け、さまざまな症状が現れることがあります。
・天気が悪くなると体調が悪い
・雨が降る前に頭痛がする
・自分の身体が天気予報代わりになる
・頭痛や肩こり、めまい、だるさが繰り返し起こる
という方は、一度ご相談ください。
症状の背景には気象病だけでなく、ほかの病気が隠れている場合もあります。適切な診断と対策によって、日常生活がぐっと楽になることがあります。
「いつものことだから」と我慢せず、つらい症状が続く場合はお気軽にご相談ください。
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