夏休みに増える学生の体調不良 夏休みに入り、学生さんの体調不良が増えています



夏休みに増える学生の体調不良 夏休みに入り、学生さんの体調不良が増えています

2026年8月23日 06:50更新
専門外来コラム


夏休みに増える学生の体調不良
― 起立性調節障害・不眠と自律神経の関係 ―

夏休みに入り、学生さんの体調不良が増えています

 

夏休みに入り、せたがや内科・神経内科クリニックでは、中学生・高校生・大学生など、学生さんの体調不良についてのご相談が増えています。

特に多いのが、「朝なかなか起きられない」「立ち上がるとめまい・立ちくらみがする」「頭痛や吐き気がある」「身体がだるく疲れやすい」「夜になっても眠れない」「昼夜逆転してしまった」といった症状です。

学校がある時期には、登校時間に合わせて起床し、日中は授業や部活動などで活動し、夜になると眠るという一定の生活リズムがあります。しかし夏休みに入ると、朝早く起きる必要がなくなり、夜更かしや朝寝坊が増えやすくなります。

さらに、夏の暑さによる外出や運動量の減少、長時間のスマートフォンやゲーム、冷房の効いた室内で過ごす時間の増加などが重なると、睡眠と覚醒のリズムが乱れ、自律神経にも影響を与えることがあります。

 

「朝起きられない」は、怠けとは限りません

学生さんの「朝起きられない」という症状で注意したい病気の一つが、起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)です。

私たちの身体は、横になった状態から立ち上がると、重力によって血液が下半身に移動します。通常は自律神経が素早く働き、血管を収縮させたり心拍数を調節したりすることで、血圧や脳への血流を維持しています。

起立性調節障害では、この調節がうまくいかず、立ち上がった時にめまい、立ちくらみ、動悸、頭痛、吐き気、倦怠感などが現れることがあります。

特徴の一つとして、朝から午前中に症状が強く、午後から夕方になると比較的元気になる場合があります。そのため、ご家族から見ると「夜は元気なのに、なぜ朝だけ起きられないのだろう」「夏休みだから怠けているのではないか」と感じてしまうこともあります。

しかし、本人は起きようとしても身体が思うように動かないことがあります。気持ちや意欲だけの問題と決めつけず、身体的な原因がないかを確認することが大切です。

 

夏休みは不眠や昼夜逆転にも注意

夏休みの学生さんでは、不眠や睡眠リズムの乱れについてのご相談も増えます。

夜更かしをして朝遅くまで眠る生活が続くと、体内時計が徐々に後ろへずれていきます。「夜眠れない→朝起きられない→昼近くまで寝る→日中の活動量が減る→さらに夜眠れない」という悪循環になってしまうこともあります。

また、起立性調節障害などの自律神経症状がある学生さんでは、もともと朝に調子が悪いため起床時間が遅くなり、それによって夜の入眠時間も遅くなるという悪循環が生じることがあります。

睡眠不足や睡眠リズムの乱れは、眠気だけでなく、頭痛、倦怠感、集中力の低下、イライラ、食欲の変化など、さまざまな身体・精神症状につながります。夏休み明けに急に元の生活に戻そうとしても難しいことがあるため、早めに生活リズムを見直すことが重要です。

 

夏休みに意識したい5つのポイント

まず大切なのは、起床時刻を大きくずらさないことです。休日だからといって昼近くまで眠る生活が続くと、夜の睡眠にも影響します。

朝起きたらカーテンを開け、できるだけ朝の光を浴びましょう。朝の光は体内時計を整える重要な刺激になります。

朝食をとることも生活リズムを整えるきっかけになります。朝に食欲がない場合は、無理のない量から始めてみましょう。

また、夏は発汗によって水分を失いやすいため、こまめな水分摂取も大切です。脱水状態になると、立ちくらみや頭痛、倦怠感などが悪化することがあります。

そして、夜のスマートフォンやゲームの使い方も見直してみましょう。就寝直前まで強い光を浴びたり、刺激の強いコンテンツを見続けたりすることは、入眠を妨げる原因になります。

 

夏休みは体調を立て直すチャンスでもあります

「夏休みに入ったら朝起きられなくなった」「昼夜逆転してしまった」「立ちくらみや頭痛が増えた」「夜眠れない」「夏休み明けに学校へ戻れるか心配」といった状態が続いている場合には、単なる生活習慣の問題と考えず、起立性調節障害や睡眠障害などが隠れていないか、一度確認することをおすすめします。

症状によっては、貧血、甲状腺疾患など、ほかの身体疾患との鑑別が必要になることもあります。また、頭痛やめまい、不眠など複数の症状が重なっているケースも少なくありません。

夏休みの終盤になってから、急いで生活リズムを元に戻そうとしても、身体がなかなかついていかないことがあります。夏休みは生活リズムが崩れやすい時期である一方、学校生活に追われず、現在の体調や睡眠、自律神経の状態を見直すことのできる時期でもあります。

せたがや内科・神経内科クリニックでは、起立性調節障害をはじめ、頭痛、めまい、動悸、倦怠感、不眠など、学生さんにみられるさまざまな体調不良についてご相談いただけます。

「朝起きられないけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査を受けた方がよいのかわからない」という段階でも構いません。

夏休み明けを少しでも良い状態で迎えられるよう、症状が続いている場合には、早めに身体の状態と生活リズムを確認していきましょう。

 





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